夢を見てたい
見ていたかった
1月の日本海は思うより穏やかだった
雪国のけわしい冬ににあわず
ざぱん、ざぱん
やさしく私の心ごと打ち返した
そこに、同じ海に君はいたのかもしれない
また新しい波がくるらしい
もうどんな絵を描いていたのか覚えてない
いまは、私と海がそこにある
きっとまた誰かが訪れて夢のつづきを描いていく
描いて、描いて
さらわれてもまた描きなおす
それができなくなったとき
さらわれて二度と戻らない想いに気がつく
そうして1つの、夢の終わりを実感する
君はあまりに特別だった
私に訪れる人がいても
君ほどに愛をくれたひとはいない
たぶんこれからも
目を閉じて深呼吸する
土とふれる潮の香り
ざざざ、と大きな波が訪れて
私から遠ざかっていった
そしてわたしも
振り返り足を踏み出した
訪れた波と同じだけ踏み出した
波が海へ返る
私は波に帰らない
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失恋しました
1/13/2023, 9:20:40 PM