いちましろう

Open App
6/19/2021, 12:54:12 PM

雨だけでも傘だけでも邪魔くさいんに、だれかとおんなじ傘なんか入りとない。そもそものそも、密着がやや。もーちょそっちに寄ってんてなる。本音はこう。肩でも腕でも、触れるんも触れられるんもむちゃくちゃ居心地わるいんよ。傘わすれたんからはじまるストーリーなんまず見てられん。近くんコンビニいでも走ってくれてなる。やけんど、そやけんど、雨の日のおもいでて、えーもんがある。どれもあんまえー内容やないに、結果ハレバレした気持ちで雨ん中突入するんよ。そんときのびしょびしょの横顔と、大人んなってから町でたまにすれちがうことがある。ぜったいい知らん子なんに、じぶんのおもいで見てるみたいやで、でもそん子のうちのひとりは走ってった先のビニル傘に息継ぎするみたいに入ってった。あんなびしょ濡れで迷惑やないんかて思ったけんど、ふたりともごくふつうに肩寄せあって雨の下にいるとは思えんかった。ストーリー欲しがってんはじぶんやんて、ふたりにいわれた気したわ。

6/18/2021, 10:53:19 AM

屋上は、灰色で、ひび割れていた。空はかんかんに晴れていて、なんとなく迷惑で、つまらなかった。下のうるさいのがちょっとの時間ひいて、またすぐにひとかたまりの声になって、風も吹くし、怪物の背中に乗っているみたいだった。不安はなかったけど、勇敢さもわかない、ただゆらゆらと、屋上のぎりぎりまで歩んでいって、しぬまえにはもうしんでいた。コンクリートのひび割れが、土のひび割れに変わっていて、臭くて臭くてたまらなかった。上はあいかわらずうるさかった。いきてやる、と小さく思った。

6/18/2021, 2:55:26 AM

ミライ、というのが、未だにどういう括りで考えていいものなのか、わからない。空想の中にでしか存在しないものなら、なるべく、わたしは尊重したい。のちに現実を迎えるかどうかは重視せず、じゆうにひろがっていてほしい。ヨイミライもワルイミライも、そんな山谷に満ちた未来でもないにしても、現実の今とは別の空間がじぶんのなかにあるのは、けっこーわるくないと思う。

6/16/2021, 2:37:21 AM

じぶんの変なところとか、そうでもないところとか、を、目をつぶってくれたり、気づいてくれたり、そっとスルウしてくれたりする本に、弱い。その弱さも、まあまあ、と、ゆるしてくれるような、ふところのひろい。でも、はたして、それがすきかと問われると、むずかしい。すくわれながら、じぶんのいやなところを、いつもよりちょっと多くみるから。かといって、成長とか、みになるとか、そういった憶えはなくて、とおりすぎていく優しさのほうに、たぶん、すきが潜んでいる。

6/14/2021, 2:59:44 PM

なにもすることがない、したいことも別に。いつか、なんか、あるだろう。歩いてみたけど特に。いつ降ったんか、知らなかった雨のあと。家周辺から駅周辺。空とか見たけど、それだけ。だらけ。まあ人はいる。しぬほどおる。何人かは傘をもっていた。何人かと目があって、全員と逸らしあった。止まってみたけど何も。駐車場の奥に目をやったけど、行き止まって、向こうの空にぶつかった。またか。またあんたか。

Next