いちましろう

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屋上は、灰色で、ひび割れていた。空はかんかんに晴れていて、なんとなく迷惑で、つまらなかった。下のうるさいのがちょっとの時間ひいて、またすぐにひとかたまりの声になって、風も吹くし、怪物の背中に乗っているみたいだった。不安はなかったけど、勇敢さもわかない、ただゆらゆらと、屋上のぎりぎりまで歩んでいって、しぬまえにはもうしんでいた。コンクリートのひび割れが、土のひび割れに変わっていて、臭くて臭くてたまらなかった。上はあいかわらずうるさかった。いきてやる、と小さく思った。

6/18/2021, 10:53:19 AM