『永遠に』
朝が来て
音楽が流れる
木の葉が揺らぎ
息を吸う
途切れ途切れのリズムで歩む
断続的に遠くまで
夜が来て
川が流れる
気持ちが揺らぎ
息を吐く
途切れ途切れのリズムで歩む
永続的に遠くまで
『暗がりの中で』 180
『もう目が慣れた』とあなたが言うから、照らす理由が無くなった。
『照らさなくても見える』と言うから、照らす苦労も無くなった。
窺い知れないあなたの表情。
……わざわざ照らす理由は如何に。
誰かに理由を伺い立てる。
……己の責務と矜恃は何処に?
猫が鳴く。
虫が鳴く。
風が鳴く。
後悔しても時は戻らず。
自業自得と──が泣く。
『どこまでも続く青い空』
雨の後は空気が澄んでいるという。
日が差す畦道で空を見上げた。
視界が全て青になる。
……手を伸ばす。
青がその手を透過する。
届かない。
掴めない。
嫌気が差して俯いたその先、足下の水溜まりにも青を見た。
……それを力の限り踏み付ける。
矮小な自分。
矮小な空。
爆ぜた青い情動は、留まることを知らず。
雨で冷えて湿った風が、どうでも良さそうに頬を掠めた。
私事ですが、今日でこのアプリを始めて1年になりました。皆さんの【もっと読みたい】には、何時も温かい気持ちをいただいています。
……と、い・う・わ・け・で!
自分がこのアプリに投稿した第1作目、そのリメイクを書かせていただきました!
楽しんでいただけたら幸いです。
それではどうぞ!
『声が枯れるまで』
子供の頃は良かった
「楽しかったなぁ」
周りの大人が優しかった
「嬉しかったなぁ」
責任なんて無かった
「気楽だったなぁ」
それが今はどうだろう?
「…………あぁ」
周りの人は信用出来ず
「……そうだよなぁ」
責任だけが伸し掛る
「……もういいよなぁ」
──ガタンッ
足下の椅子を蹴り倒した
──────────
『──ギィィ』
子供の頃は良かった
「──ギィィ」
周りの大人が優しかった
「──ギィィ」
責任なんて無かった
「──ギィィ」
それが今はどうだろう?
「──ギィィ」
周りの人は信用出来ず
「──ギィィ」
責任だけが伸し掛る
「──ギィィ」
……どうして声が出ないのか?
「──ギィィ」
……あぁ、枯れたのか
※一応ホラーです。そこまで怖くはないと思いますが、苦手な方はご注意ください。
『始まりはいつも』
皆様、都市伝説とは何かご存知でしょうか?
口裂け女やトイレの花子さん。
きさらぎ駅やくねくね。
最近のトレンドは陰謀論系でしょうね。
このように都市伝説というのは、簡単に言えば怖い噂話の事です。
初めに誰かが言い出した噂話が、多くの人に認知され、そのまま都市伝説として語り継がれる。
何だかロマンがありますよね。
話は変わりますが、実は私も過去に心霊体験をした事があります。
丁度いい機会ですから、お話しますね。
……ね?((^ᵕ^))[圧]
(´ρ`*)コホンッ
あれは私がまだ小学生の頃の話です。
丁度いまと同じぐらいの時節で、彼岸も過ぎて『少し肌寒くなってきたねー』……なんて事を家族で話していた覚えがあります。
当時からお風呂好きだった私は、涼しい日が増えていていくにつれて、お風呂に浸かる時間も長くなっていきました。
肩まで湯船に浸かって目をつむり、上を向いてぼーっとするのが日課でした。
そんなある晩の出来事です。
その日も変わらず、お風呂で湯船に浸かって目をつむり、ぼーっとしていました。
しかし何時もと違い、長風呂をする気にはなりませんでした。
理由は簡単です。
友人から学校で、お風呂に関する怖い話を聞いてしまったからです。
……正直もう覚えていませんが、当時の私はお昼に聞いたその話が頭から離れなかったのです。
そんなこんなで何時もよりも短いですが、そろそろお風呂を出ようかと思い、目を開けようとしたその時。
ひた……ひた……ひた……ひた……
微かに、しかし確実に。
何かの音が聞こえてくるのに気が付きました。
目は閉じていましたが、音が聞こえてくる大体の位置というのは分かります。
自分から見て右後ろ……そう、ちょうどお風呂の扉の辺り。
ひた……ひた……ひた……ひた……
湿った壁に何かを張り付けるような……それこそ『手のひらを貼り付けたら、こんな感じの音が出るのではないか』と、怖い想像をしてしまう気味の悪い音。
(怖い話を聞いてしまったから、今日は少しのことでも敏感になっているのだろう)
そう思い込もうとしても、やはり少し怖いので固まってしまっていると。
……音が場所を移動し始めたのです。
ひた……ひたひた……ひたひたひた……
右後ろから右の壁へ。
ひた……ひたひた……ひたひたひた……
右から前の壁へ。
ひた……ひたひた……ひたひたひた……
そして最後に──
ひた…………
──私のすぐ前で音が止まりました。
目を閉じたまま、恐怖で動くことが出来ません。
それからどのくらい経ったでしょうか? 自分ではとても長い時間、動けずにいた記憶があります。
しかしながら、何時までもこのままではいられません。
音が消えた事を何度も確認してから、恐る恐るゆっくりと目を開いていきました。
すると目の前には……何もありませんでした。
いつもと同じ、見慣れたお風呂の壁があるだけです。
自分は白昼夢でも見ていたのではないかと考えました。
事実、お風呂で睡魔に襲われて、船を漕いでいたことはこれまでにもありましたから。
怖い事を考えていたから、怖い夢をみた。
(なんだ、考えてみれば当たり前の事ではないか)
そうやって自分を安心させていた、その数瞬間後……私は裸なのも構わず全力で風呂場から逃げ出しました。
何なら悲鳴も上げていたかもしれません。
しかし、それも仕方がないと思うのです。
だって一息ついたその瞬間に、耳元でこう囁かれたんですから。
"あえたねぇえ"
……どうしてそんな言葉を言われたのかは分かりません。
少ししゃがれていて、しかしハッキリとした女性の声で、確かにそう言われたのです。
その後は親に何をしているんだと叱られて、先程あった出来事を説明しましたが、ろくに取り合ってはもらえませんでした。
自分がお風呂に入ってからの時間も、たったの15分程度しか経っておらず、まさに"狐につままれたような"感覚です。
これで私の心霊体験はおしまいです。
駄文での長文語り、失礼しました。
信じるか信じないかは、アナタ次第です! (責任丸投げ)
【追伸】
そういえば、当時に友人から聞いた怖い話を少し思い出しました。
確か……そう。
最後にこんな事を言っていた気がします。
『この話を聞いてしまった人は、一週間以内に"ソレ"が会いに来るらしいよ。
……もちろん、お風呂に入っている時にね』
まぁ、どうでもいい情報ですね。