『初恋の日』
「初恋だぁ〜??
ハッ、馬鹿らしい。
恋なんて所詮ただの性欲だろ?」
「うるせぇ死ね!
氏ねじゃなくて死ねっ!」
「…………何だか凄いゾクッときた。
これが……恋……?!」
「それは性欲だ!
このマゾヒストめっ!」
『明日世界がなくなるとしたら、何を願おう。』 130
少し気になるのですが、この情報はやはり当日に知らされるのでしょうか?
実際問題みんながみんな明日世界がなくなることを確信したら、物凄くパニックになると思うんですよね
何をやったところで明日は来ないんです
それを確信したうえで、どれだけの人間が倫理観や理性を維持していられるのでしょう?
電話回線は混雑していてまともに使えないでしょう
外に出れば何時おかしな人間に襲われるとも限りません
家に居たとしても一人暮らしですから安全とは言い難いですね
警察に助けを求めたところで誰も働いてなんていないでしょう
何だか明日世界がなくなることよりも、それを確信した人間の方が怖い気がします(The 偏見)
……自分のことは全力で棚に上げますがね!
というか現実的に考えてこんなシチュエーションありえないですよね!
順当に考えれば『明日自分が死んでしまうとしたら、何を願おう』……とかですかね?
死んでしまえば自分にとっての世界がなくなることは確かでしょうから
じゃあどうして死ぬんでしょう?
……明日自殺をする?
それにしては受動的すぎますし、自殺するのに願いもクソもないでしょう
……明日誰かに殺されることや病死することが分かっている?
それなら願い事なんて聞くまでもなく一つしかないでしょう
つまり…………どゆこと??(阿呆)
何かよく分からないので自分なら取り敢えずこう願います
「明日世界がなくなりませんようにっ!」
……なんてね!(思考停止)
『生きる意味』
みんな平等に人生の価値なんて無いし、生きる意味も無いと思いますっ!!(元気溌剌)
……強いて言うなら生きていること自体が価値であって、同時に生き続ける理由になるのかなぁ?
もともと何にも無いのに、後から自分で勝手に"価値"だとか"意味"だとか見出すんですよ
そしてそれが少しでも損なわれたと思ったら嘆くんです、。・゚(゚⊃ω⊂゚)゚・。エーンエーンって
本質的には何にも変わっていないのに……ちゃんちゃらおかしな話ですよね!
命そのものに価値があって、生きているから意味があるんです
……それ以上でもそれ以下でもないでしょう?
『たとえ間違いだったとしても』
「あ゙ぁぁ……違う……違うぅ……すぅう……ふぅぅ」
六畳一間の一室、暗がりの中で頭を抱えてかがみ込んでいる男が呻く。
天井にぶら下がった白熱電球が、隙間風に揺られる度に男の影がチラチラとたなびいた。
「違うんだぁぁ……違うぅぅ……!!
どうしてぇ……?
なんでぇぇ……??」
『分からない、分からない』とブツブツ呟きながら、男は床に頭を打ち付け始めた。
ガスッ……ガスッ……ガスッ……ガスッ
鈍い音が連続する。
ガスッ……ガスッ……ガスッ……ガスッ…………
動きが止まって数瞬……男は急に頭を上げると鮮明な声音で、かつ流暢に話し始めた。
「レディース&ジェントルメン!!
皆様大変長らくお待たせ致しました、答え合わせのお時間で御座います!
それでは早速参りましょう……!」
両手を高く挙げ、満面の笑みを携えた男は高らかな声で宣言する。
「……とはいえ、実際のところ皆さん既にお分かりなんでしょう?
本当は分かっているくせに誰も口には出そうとしないんです!
……そうですよねぇ??
心の中の隅の隅、そんな辺鄙な場所まで追いやって……気付かないふりがお上手ですね!
いや〜、素晴らしいっ!!」
口早にそれだけ言った男は、再び頭を床へと打ち付け始める。
ガスッ
打ち付ける。
ガスッ……ガスッ
打ち付ける。
ガスッ……ガスッ……ガキョッ…………
あぁ、これはぁ……たぶん折れたな。
『もしも未来を見れるなら』
「どうして○○君はずっと目を閉じてるの?」
時計と観葉植物が飾られている白い部屋で、カウンセラーの女性と目を閉じた男の子が向かい合って椅子に座り、話をしている。
開かれた窓からは心地の良い風と陽の光が入ってきており、落ち着いたアロマの香りが心を落ち着かせた。
「……僕、未来が見えるんだ。
それで……その、だから目を開けるのが嫌で……」
「……なるほど、○○君は未来が見えるのが嫌で目を閉じてるんだね。
でもどうして未来が見えるのが嫌なのかな?」
「…………」
「……言いずらかったら無理をしなくても大丈夫だよ!
私達は今日初めて知り合ったんだから、まだお互いの事もよく分からないもんね」
「……ううん、先生が良い人だっていうのは分かるよ。
僕の周りの人達はみんな僕のことを心配してくれる良い人達なんだ。先生もみんなと似てるから……」
「そっか……ありがとうね!」
「うん!
……でもだからこそ目を開けられないや」
「それがどうしてかは教えられない……?」
「…………消えちゃうんだ」
「消えちゃう?」
「……うん。
僕が未来を見ちゃうとね、僕の周りの誰かや何かが消えちゃうんだ。
この前に未来を見ちゃった時は、僕の好きだったおばあちゃんが消えちゃった。僕の隣に居た筈なのに、僕が未来を見た瞬間に居なくなっちゃった。
だからお母さんにおばあちゃんは何処か聞いたら、僕が産まれる前に死んだ事になってたんだ……」
「……そっか、それはとても悲しいね」
「信じてはくれないでしょ……?」
「そんなこと無いよ!
先生は○○君の言うこと信じるよ」
「ありがとう。……でもいいんだ。
おばあちゃんもそうやって言ってくれたけど、結局消えちゃったから。
『たとえ未来が見えたとしても、おばあちゃんは絶対に消えないよ。だから目を開けてごらん』
……そう言って僕に……嘘をついたんだ……ッ!」
「それは……きっとおばあちゃんも○○君の事が心配で──「そんな事は分かってるよッッ!!」」
「そんな事は……分かってるんだ……っ!
だからね……だから、だから僕はもう二度と目を開けないって決めたんだ。
これ以上……みんなに消えて欲しくないから」
時計と観葉植物が飾られている白い部屋で、カウンセラーの女性と目を閉じた男の子が向かい合って椅子に座り、話をしている。
開かれた窓からは湿って重たい夏風が入ってきており、土の匂いが混ざったアロマの香りが心をざわつかせた。