ノーム

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12/23/2022, 12:40:45 PM

『プレゼント』


とても綺麗な君の笑顔に
私の心が熱を持つ

それは世界を包み込み
蕾となって花開く

君の生きた証明と
私が愛した証明が

色鮮やかな花弁に混じり
散り際までもが美しく

演出はいかに
月光は波間に
大地は果てに

この世界の幸せを
真に願う君なれば

12/22/2022, 11:13:48 AM

『ゆずの香り』


アイツは皮を被ってるだけだよ

いい香りに騙されたらダメ

化けの皮を剥いでみな

中身は食えたもんじゃない

12/21/2022, 12:55:49 PM

『大空』


僕の足元には大地が無い。
上下左右、どこを見渡しても青空が広がっている。

「地に足つけてる感覚はあるんだけどなぁ」

不思議だ。

取り敢えず歩いてみる事にした。
トコトコトコトコ
歩く度、足裏には確かに地面を踏みしめている感触がある。
これで足元に広がっているのが青空だというのだから驚きだ。

ある程度歩いた所で立ち止まる。
周りを見渡すが何も変わらず、やはり青空がそこには広がっていた。
そうして途方に暮れていると、少し離れたところに小さい雲があるのを見つけた。

「……あそこまで行ってみようか」

目的地を定めた僕はそこに向かって走り出す。
ダッダッダッダ
走る。
ダッダッダッダ
ひたすら走る。
ダッダッダッダ

……たどり着かない。
どれだけ走っても僕と雲の距離は縮まらない。
まるで、表面に青空が投影された球体の中を走っているみたいだ。
いや、事実そうなのかもしれない。

僕の周りに広がる青空は、何処までも続いているように見えているだけなんだ。
大空に見えてその実、僕を小さな世界に閉じ込めている牢獄なんだ。

考える。

「どうすれば此処から抜け出せる?」

考える。

「何時から僕は此処に居た?」

考える。

「一体誰が僕を閉じ込めた?」

…………分からない。
分からないが、取り敢えず……


僕は足元の小空を、力の限り踏みつけた。

12/20/2022, 6:51:22 PM

『ベルの音』


シャンシャンシャン
ベルが鳴る

「迎え入れるのだ」

シャンシャンシャン
ベルが鳴る

「賛美歌を捧げるのだ」

シャンシャンシャン
ベルが鳴る

「幸福を願うのだ」

シャンシャンシャン
ベルが鳴る

「神を崇めるのだ」

シャンシャンシャン
ベルが鳴る

「崇めるのだ」

シャンシャンシャン
ベルが鳴る

「崇めろ」

シャンシャンシャン
ベルが鳴る

シャンシャンシャン
ベルが鳴る

12/19/2022, 1:49:19 PM

『寂しさ』


私が消えたところで
誰も寂しさなんて感じ無い

誰かが消えたところで
私は寂しさなんて感じ無い

今も昔も孤独な私は
きっと誰よりも人思いだろうよ

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