6B鉛筆

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5/6/2025, 1:18:20 PM


地下のライブハウスで

ライトを浴びながら汗塗れで楽器を鳴らす3人の男


誰かのためじゃねぇ

おまえのために歌いにきた

おれたちは

おまえにロックンロールを歌いにきた

生きてくれって歌いにきた

愛してるって歌いにきたんだ


誰も言ってくれなかった言葉を

はじめてくれたのは

ステージの上でギターを掻き鳴らすバンドマンだった


辛かったね、しんどかったね、苦しかったね

そうだけど

そうじゃないんだよ

いまだに乗り越えられちゃいない

それらを背負って、今日も生きてるんだよ


なぁ

おまえら

死なないでいてくれて

生きていてくれてありがとう


その言葉に救われて

今日もサンボマスターを聴きながら

生きていくんだ

4/9/2025, 12:29:21 PM

「便りがないのが元気な証拠」

あなたの口癖だったわね。

老眼だってボヤいてる割には、スマホばっかり見て。

知ってるんですよ?

お休みの日に、犬の散歩だって言いながら

普段行かない公園まで足を運んでいること。

他愛もない写真を良く撮るようになったこと。

若い子の流行りを気にするようになったこと。


会話のきっかけを、探していること。





   ゆみ、仕事はどう?一人暮らしやっていけそう?

   困った事があったら、お父さんに連絡しなさいね

   ああ見えて、結構心配性だから(笑)

   5月の連休にそっちに遊びに行くので

   3人でご飯でも食べましょう(^^)

   無理せず、体に気をつけて頑張りなさいね。







4/1/2025, 5:00:11 AM


御山の雪も土に被る程度まで溶けてしまった。

湿った土の下から新芽が芽吹き始めている。

風はまだ少し冷たいが、

薄い雲の間から射す陽の光が温かだ。

春ってやつが直ぐ側まできて、

煩わしそうにこちらを視ている。


「君はもう用済みだろ?さっさと退いてくれないか?」


もう僕の季節だ。


こいつとはいつまで経っても反りが合わないな。


「わかってる。」


他の植物に先駆けて咲いた木瓜の花を優しく撫でると


「またな。」


そう言って、冬は風に乗って去っていった。



御山に今年も、春が来る。







3/8/2025, 11:15:51 AM

肩まで伸ばした地毛の黒髪を1つに束ね

控えめな化粧

服装は色味が少なく極めてシンプル

勤務態度は極めて真面目で特に目立った人ではない。


それが、会社での私に対する印象。

でも、それでいい。

平和に社会生活を送るのならば

印象に残らず、恙無く生活するのが一番いいのだ。




日曜日の夜

煙草の煙で燻る入口

小さなバーカウンター

重低音のサウンド

響くシャウト

ヴォーカルの煽りに

オーディエンスは掻き立てられ

モッシュ、ダイブで沸き立つフロア

キャパ100もない小さな"箱"




音に全てを委ねられる

生きていると実感できる

私が、私に戻れる

秘密じゃないけど秘密の場所







1/4/2025, 2:05:23 PM

幸せとは



たとえば

「ありがとう」という気持ちの

向こう側にあるもの

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