はた坊

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2/21/2023, 10:59:59 PM

#38 『0からの』


何も無い
無だ
まさしく0だ

俺は神に祈ったんだ
クソみたいな人生、0からのスタートをしたい
…、と


何も無い
誰もいない
俺の肉体すらない

ただいま考えている思考や気持ち、こころは残っている

すると、そのこころに誰かが語りかけてきた

『すまぬ、まだ残っていたものがあったようだな』

その言葉が終わると同…………







2/20/2023, 10:54:11 PM

#37 『同情』


猛烈な台風が通り過ぎ、帰宅すると唖然とした。

自宅の屋根が吹き飛ばされていた。

近所の人が集まってきて、
「大変だわね」
「元気だして、何とかなるよ」
と口々に同情していく。

私は思った。


同情するならヤネをくれ!


おあとがよろしいようで

2/19/2023, 10:45:19 PM

#36 『枯葉』


サクッ

仕事帰り、ボォっと歩いていた
足下を見る

枯葉だ
いや、バラバラになった枯葉だったものだ

すると、風がその足下を吹き抜ける

枯葉だったものは天へと舞っていく
私もつられて、顔を上げる

その刹那、ビルの合間に流れ星が走っていった


…明日は何か少しいいことがありそうだ

2/19/2023, 1:11:30 AM

#35 『今日にさようなら』

目覚ましが鳴っている
9:00を過ぎていた

頭と目だけが起動しだす

カーテンが少し明るいから、たぶん朝だ

確か今日は休みだ
でも、特に予定がない
それに布団の温もり…勝てそうにない


『今日にさようなら』


私は自分の電源をオフにした。

2/18/2023, 12:39:53 AM

#34 『お気に入り』

男「昨日は急に帰って、何か用があったの?」
女「…う、ううん。別に」

男「今日は僕のよく行くお店に連れてってあげるよ」
女「…えっ、どこ?」

訝しみながらも男について行く女。


男「ここだよ」

男が連れてきてのは、夜景の見える隠れ家的な天ぷらの美味しい日本料理店。

男「ここが僕のお気に入りのお店」
女「わぁ❤」

男「そう、いま『お気に入り』と『お店』に『お』をつけたよね。
これは敬語の一種で『美化語』って言うんだ。
『美化語』ってあまり聞きなれない言葉だよね。
『美化語』っていうのは、自らの言葉を飾るための敬語で、言葉を上品に美しく表すためのものなんだ。
例えば、このご飯の『ご』やお味噌汁、お茶、お酒、そして、『おいしい』も美化語なんだよ」』
女「……」

男「そして僕はキミの気持ちもお見通…」
女「帰りまーす」



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