はた坊

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1/22/2023, 3:38:57 PM

タイムマシーンが完成した。

しかもこのタイムマシーンは自分の願ったタイミングに行くことができる代物だ。

そこで自分の最期を見に行くことに決めた。


これからどんな人生を歩むのだろう。

このタイムマシーンで大金持ちになるのだろうか。

それとも素敵な女性と巡り会い、その子供たちに囲まれて、最期を看取られるのだろうか。

いやきっと両方だろう、間違いない。


ニヤニヤする口元を抑え、スイッチを押した。


・・・・・・

ドンッ!!

着いた・・・・・・のか?

さっきと風景が変わってない。
・・・時計を見た・・・・・・同じ時間・・・だな?

正確には10秒経っている。

・・・何か違和感、ゆっくりと下を見る。
・・・・・・赤い血が流れ出ていた。


よしっ!成功
・・・ドンッ!!




#8 『タイムマシーン』

1/21/2023, 12:25:11 PM

ようやく街も寝静まったか。

ったく、最近はこんな夜更けまで明るくて、やりにくいったらありゃしねぇ。

人感センサーのついたライトや監視カメラとか、防犯対策が厳重になってきてるからな。

家業とはいえ、家に忍び込むってのも骨が折れる。

じいさんの時代は忍び込み放題だったんだろうなぁ、なんて愚痴ってもいられない。

移動係の相棒が待っているし、さっさと仕事にかかろう。


・・・


何とか家の中に入れた。
お目当ての部屋へと行くか。



ここだな。

可愛い少女が寝ているが、起こさないように作業に取り掛かるとするか。


・・・・・・

手っ取り早く作業は終わらせたから、ずらかろう。

しっかし、可愛い少女だ。

家の住民には起こすのはご法度だが、こんなに可愛いんだから、仕方ないだろう。

と、髭もじゃの顔を少女に近づけた。




「Merry X'mas」





#7 『特別な夜』

1/20/2023, 4:09:02 PM

父の遺灰を海へと撒いた
空の男であった父からの、たっての願いであった

しかし、何故?
雲一つない青空を見上げ、ふと思った

確か空に散骨はできるはずだ

『空のことは大抵知り尽くした』
引退した時の父の言葉を思い出した

っとしてもだ


爽やかな空の青さとは違って
ほの暗い海の青は吸い込まれていきそうだ

遺灰は波にさらわれ、もまれ、
ついには海の底へと沈んでいくかもしれない


光の当たらない未知の世界


いまとなっては海へと飛び立った父の想いを知る術は無い


#6 『海底』

1/19/2023, 10:57:37 PM

君に会いたくて 狭い道を通り抜けた
きみに会いたくて 暗い道を走り抜けた


君に会いたくて スマホをパッと開いた
きみに会いたくて スマホをソッと開いた

君に会いたくて 深い眠りについた
きみに会いたくて 眠れず朝を迎えた

君に会いたくて 口紅をスっとひいた
きみに会いたくて 小箱をソッと隠した



キミに会いたくて 腕組み君のもとへ歩いた
キミに会いたくて 腕組み歩くきみを見つめた


キミに会いたくて 君と愛を誓った
キミに会いたくて きみと愛を誓った


キミに会いたくて 瞼をグッと閉じた
キミに会いたくて 掌をグッと握った



きみと君に会いたくて 暗く狭い道を通り抜けた

#5 『君に会いたくて』

1/18/2023, 12:59:01 PM

一枚の絵がある

タイトル『閉ざされた日記』

しかし、目の前の絵の日記は開いている

・・・はて?
開いているのに閉ざされている?


ん?
その日記には小さな文字が


「・・・・ナ」


「・・タナ」


「ミタナ」





・・・・・・・・・ワタシハダレ?



#4 『閉ざされた日記』

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