1/17/2023, 4:25:24 PM
夜の繁華街
人波に逆らい歩く
手には花束と色紙
語らいあった同期との送別会
冷たい風が背中へ吹き付ける
すっと顔を上げる
心配するな、と木枯らしの後押し
#3 『木枯らし』
1/16/2023, 10:18:43 AM
「・・・美しい。」
視線が吸い込まれるほどの闇の中、確かに彼女はそう呟いた。
・・・何を見ている?
・・・何が見えている?
俺は目を凝らすが、どこまでも続く漆黒の世界。
何も見えないはずだ。
彼女は何も見えないはずだ。
いま、彼女から色のある世界を奪ったのは俺なのだから。
その刹那、喉元に切り裂いた激痛がはしり、彼女の声が耳元から聞こえた。
「いってらっしゃい・・・黒すらない美しい世界へ」
#2 『この世界は』
1/15/2023, 10:34:28 PM
この世界は欺瞞に満ちている。
ありとあらゆる人が、いや生物・・・万物すべてが偽りの姿なのだ。
ただそれは僕の目から見た世界だから、かもしれない。他の人の目からは、きっと真の姿なのだろう。
そう僕は、それを確かめずにはいられなかった。
#1 『この世界は』