負け猫

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2/11/2025, 3:11:58 PM

君にあげる。

目的語を失った言葉はそれはそれとして
大いにトキメキを孕んだ響きになっていた

それが偽物なのか本物なのか考えたところで
その答えはきっといつまでも分からない。

だからこそいつまでもそれを強く優しく弱く乱暴に
抱きしめて、違和感を愛し続けた。

それが多分君がくれたココロだから。

10/2/2024, 11:16:32 AM

叶わなかった願いがある。

それは「すずめ」として生きてみること。

自由に生きて可愛がられたいのではない。

薄い存在感と邪険には思われない
その身軽さが良いのだ。

病床から震える手を出して窓を開ける。

何もいないが確かに声は聞こえるのだ。

僕の茶髪は虚しく揺れる。

雇われ介護に一日中世話を焼かせた僕の体を

少しの黒ずみが彩る。

すっかり白くなった顔は

女房が愛した丹精をすっかり奪っていった。

奇跡がもう一度起こるなら

私は「すずめ」になるのだ。



10/1/2024, 5:51:42 PM

世界は少しダイレクトだから

カラーレンズで見るのがちょうどいい

黄昏時の薄紫に

曖昧なココロを求む

8/27/2024, 6:53:20 PM

サイダーの味がわからなくなったから

雨に佇む僕を置いて

ドイツに行くのか

晴れたら会えない君を

晴れを願って待ち続ける

7/23/2024, 7:48:48 AM

「今回の作文のテーマは、『もしタイムマシンがあったなら』です。原稿用紙2枚分、800文字で作文を書いてくださいね!」

「せんせー!せんせーはもしタイムマシンがあったらどうするー?」

「私は...そうね、大学時代に戻るかな」

「なんでー?」

せんせーは黙って子供たちをみつめた。

こどもたちは少しだけ息をあげて、席についた。

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