陽月 火鎌

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11/4/2024, 6:18:55 AM

鏡の中の自分に聞いても、言葉を繰り返すだけだ。
そのことは何度もやったから、分かっている……だけど、どうしてもやってしまうのだ。どうしてもあの子に、縋ってしまう…頼ってしまう…泣きついてしまう………あぁ、私は。

『⸺ぃでぇ……ぉいでぇ………ここに、おいで…』

少し前から、呼ばれている。
あの子が呼んでいる。

行かなきゃ…たくさん、頼ったから。
あの子の隣に居なきゃ…。

◆◇◆◇◆

「ねぇ、聞いた?」
「え、なになに?」
「あそこの家の長男がガラス片で喉を刺して病院に運ばれたって話よ」
「まぁ…確かあの家って、聖堂のステンドグラスが壊れた時に下敷きになって死んでしまった女の子がいるんじゃなかった?」
「えぇ、そうよ。その件以来、あそこの家は窓に板を打ち付けたり、鏡を捨てたりしていたのよ」
「あらそうだったの……心配ねぇ」
「えぇ、本当に」

◆◆◆◆◆

あぁ…残念、今回は失敗したなぁ。
次の機会を待って、あの馬鹿正直なやつを揺さぶるエサにしないとだなぁ。

【悪魔は敵を弱らせる一手を手に入れたい】

11/2/2024, 2:26:39 AM

   古代樹の根本に
  文字が刻まれている
  ⸺読んでみますか?
   ▷はい  いいえ


『  この救いは永遠に
   この破滅は永遠に
  二つが交わり続く世界

  いつの日か終わること
  我らは永久に待ち望む  』

【ゲームの”調べる”テキスト風に書いてみた(多分)】

11/1/2024, 5:47:01 AM

小さい頃、お兄が昔のアタシに難しいことを聞いてきたことがある。



「なあ…理想郷って、なんだと思う?」
「りそう…きょう?」

みんなが自分のユメを好きにかなえられて
みんながみんなのお話しをちゃんと聞くところ

そう言ったら、お兄はわらってアタシの頭をなでてくれた。

「そっかそっか……まだお前には早かったか」
「むぅ!アタシもう子どもじゃないもん!」
「あはは、そうだね」

お兄は、ここじゃないどこかを見るような目で、アタシと話している。
だからアタシは、言ってみた。

「お兄。なにか、なやみごと?」
「⸺!…そっか、バレるか。そうだな……何を聞いても、泣かないか?」
「ん、ダイジョブ!アタシ、なかないよ!」
「そっ…か…。じゃあ、話すよ」

そうして、かくごがきまったような顔をしてお兄はこういった。



「『⸺近いうちに、理想郷を探しに旅に出ようと思ってる』か。理想郷を探した人間の末路なんて、母さんで知ってたのに……なんで行っちゃったのかな」

うるさい男共の口撃を無視しながら呟いた。
お兄はアタシの憧れだったのに、理想郷を探しに行ったことは、一番キライ。

⸺ホントにうるさいなぁ。格好や話し方なんて個人の自由。なのにグチグチ……アタシも旅に出ようかしら?それがいいかもしれないわね。頭…父さんには、悪いけど。


【理想郷を求めた人が置いてきた誰か】

10/30/2024, 8:59:06 AM

【流用しようとした原案を紛失したため執筆不可になったようだ……(´ ・ω・`)】

10/24/2024, 10:23:10 PM

「俺さ、行かないで……って惜しまれるような英雄になりたい」
「…この現代社会じゃ無理だろ。異世界に召喚されるのを待ってろ」

心の友である親友に否定されてしまった。
悲しいなぁ…しくしく。





「⸺ワシは、行かないで……って惜しまれる英雄になれたかのう」
「死なないでって言われるような家族大好きおじいちゃんにはなれたんじゃないか?」

ワシの死に目にまで毒を吐いてくる親友…⸺ってちょっと待て、お主先に寿命迎えたじゃろ、もしやお主が天の国の案内役か?

【英雄志望と腐れ縁】

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