踊りませんか?
このステキな景色を背景に、私と一緒に踊りましょう?
「………」
えぇ、えぇ。そうでしょうそうでしょう!
貴方みたいな少年が、”踊る”なんて難しいですよね!
ふふっ。私の役目を奪うようなことなんて考えずに、大人しく元いた場所に戻りなさいな!
「いや……踊るさ」
⸺!なるほどなぁるほど!貴方の復讐心は、貴方の非力さは、偉大なるご主人様に踊らされる屈辱より大きいのですね!私、貴方のことを過小評価し過ぎていたみたいです!
あぁ!私、貴方に名前を伝えておりませんでした!
私は”涙目ピエロ”と呼ばれておりますの…貴方に名前をつけるなら、一体何がいいんでしょうね?
「…”泥人形”、でいいだろ」
まぁ、ステキなお名前ですね!えぇ、えぇ。分かりましたわ、泥人形。これから私、貴方のことは泥人形と呼びますわ!
「わかった。一応、よろしく。ピエロ」
【ここから始まる物語(続かない、かもしれなかった)】
『ねぇ…お兄さま。私、運命の人に巡り会いたいの』
そう言って、妹はこの世を去った。この言葉が、彼女の最後の言葉だったのだ。なのに俺は、妹の言葉を否定した。否定で返してしまったのだ。
俺は、否定したことを……妹の言葉を肯定してあげなかったことを、後悔している。だけど、後悔したところで妹は戻ってこない。戻ってこないのだ。
⸺しかし・・・・・・。
「貴方、どうしたの?」
政略で婚約した十も下の女性に、妹を幻視するのは何故だろうか……?
*
「”前世”から会っていたなんて、本当に運命だね。お兄さま…♡」
【巡り…会った…?】
響き渡る絶叫と一切の容赦なく燃やし尽くす炎。
只人たちは逃げ惑い、倒れた羊は炎の狼に喰われていく。
「あっははっは♪しね!しねっ!しねぇっ!愚かに死んじゃえ!!!」
あぁ…神様。この世に救いは無いのでしょう?
神の救いは既に行われた後なのだから。
「⸺……ぅ”…ぉ”」
「あれ?まだ生きてたの?しぶといな〜、君。こんなんでも、英雄っていうゴキブリだった訳か…ゴミ虫だったけど♪」
「……お…れを………従……者に、おねが…いしま………す」
「えぇー…生き延びられると思ってんの?あー、やだやだ。これだからボク、人間ってキライなんだよねー」
なんということでしょう。神々に認められた英雄が、魔族に与する言葉を発するなんて……信じられません。
私達の光であり、救いである英雄様は、地に堕ちてしまいました。
⸺でももし…私の声を、神々のうち一柱でも聴いていらっしゃるのならどうか…英雄という奇跡を。
逃げ惑う人々が救われる奇跡をもう一度だけ……⸺お願いします。
【救うも捨てるも神の自由】
黄昏時にしか現れぬ境界よ
混沌渦巻き魑魅魍魎が蔓延る異界を開き
異界の住民を、我が身を通し現界せよ
〖憑化〗悪魔憑き
【詠唱っぽいのを書きたかっただけ】
⸺では、また。二度とお会いしたくないですが。
「違う、なぁ…バツ」
⸺じゃあね♪ばいば〜い!
「これも違う、かな…バツ」
⸺ふふっ……では皆様、さようなら。
「あぁー、これ…もしっくりこないな。これもバツ」
⸺お前ら、あばよ。
「これも…ちg「台本出来たかー?」どぅわっ!?!?」
「ケケっ、ひっくり返ってらぁ。んなに驚いたのか?」
「お、驚きますって!あぁもう、びっくりした…急に声かけないでくださいよ」
「にゃはは、わるいわるい。んで、どう?台本出来た?」
「それ絶対悪いって思ってませんよね……台本作るって言ったの昨日ですよ。一日二日で出来たら苦労しませんって」
「そか…じゃ、しゃあないか。なら、さっきから何してたんだ?」
「主人公とヒロインの別れのシーンを入れたくて、主人公の性格が分かるような言葉を作ってから他の所に手をつけようと」
「ほぉ〜ん…なら邪魔せんように、下校時間になったらまた来んぞー」
「あっはい。分かりました先輩」
「せいぜい頑張れなぁ…只人くん」
「確かに僕は凡人です、が……⸺それだ!!!」
【別れ方のヒントは去り際に】