お題「さぁ冒険だ」
玄関にかけてある、鍵を取って靴を履こうとする。
すると靴が光って、羽がついて勝手に歩き出そうとする。
しかし俺は驚かない。
そんな事が多々あるからだ。
こういう日は靴に待ってよとお願いする。
靴はまるで人間の様に話せてしまう。
「ちょっと待って!」
「ごめん、ごめん。また勝手に動いちゃった。それじゃあ今日も貴方が履いたら僕が動くね」
「ありがとう」
俺が履くと、例えると電動自転車の様な楽さになる。
歩くのがいつもより本当に楽になる。
「今日は気分転換に空を飛びたいな」
「OK!任せて」
「ありがとう」
時々空を飛ぶ時もある。
その時はほぼバイクに乗っている様な感じ。
浮遊感があって、まるで飛行機を乗っているみたいにも感じる。
初めて靴がこんな風になった時は当たり前だけど、驚いた。
そして初めて空を飛べると聞いた時も驚いた。
まさか現実で空を飛べるなんてね。
空を飛ぶと意外にも俺と同じく、靴で空を飛んでいる人が沢山居た。
俺が空を飛びたいなと言うといつも俺に靴が言う。
「さあ冒険だ」
靴が勝手に場所を教えてくれたりするから、知らない所に行っても大丈夫。
お題「一輪の花」
学校の帰り、いつもは通らない道から帰ってみることにした。
すると花屋があった。
本当にまるで一目惚れでもしたかのように、薔薇の花に目がいった。
とても綺麗だ。
私はしばらく見続ける。
綺麗な一輪の花。
お題「時間よ止まれ」
学校で私は好きな人の話しをする。
すると友達が呆れ顔で言う。
「時間を止めれる力があれば良いのね。そしたら好きな人の顔をずっと見ていられるのに」
私はその言葉に苦笑いをする。
好きな人が居ないから、何とも言えなかった。
友達が私を羨ましそうに見て言う。
「良いよね。あんたは友達が居なくて」
そんな事を言われても、恋は自然に出来るものだから仕方ない。
私も好きな人が欲しいな。
すると友達が冗談交じりに言う。
「時間よ、止まれ!」
すると授業のチャイムが鳴る。
「やっと授業の時間だね」
え?どういう事?
やっとて...まだ今の時間よ止まれで、まるで合図かのようにチャイムが鳴ったのに。
お題「君の声がする」
私は屋上でよく授業をサボる。
いつもの様に屋上で寝転がって寝ていると、冬弥の声が聞こえた気がした。
「...な」
「...るな」
「春菜!」
私は目を覚ます。
目の前には冬弥が居た。
冬弥は寝転がっていた私を覗き込んでいる体勢だった。
「何よ」
彼は私の好きな人。
「昨日も付き合ってくれって言ったよな」
そう、両想いなのだ。
「だからさ...付き合えないって言ったじゃん」
「何でだよ」
「もう...何回言ったら気が済むのよ。冬弥が幽霊だからでしょ?」
お題「ありがとう」
私には霊感があった。
動物の幽霊も見えた。
今日、昨夜この辺りで殺人事件が起きたというニュースを見た。
暗い気持ちになる。
どうしてそんな事が起きるのか。
こんな事が無ければ良いのに。
そう思いながら職場に行く。
すると幽霊らしき者から、何故か余り行ったことの無い道へと腕を掴まれて引っ張っられた気がした。
とても痛くて腕を見てみると、痣が出来ていた。
もしかしたら昨夜の殺された人が私に八つ当たりしているのかと思いながらとりあえず、スマホを取り出す。
マップアプリを開いて、職場への道に行く。
私は無事に職場へと辿り着けた。
あれは一体何だったのか。
職場に入る。
室内に入った瞬間、何故か職場がザワついていた。
今日はどうもおかしい事だらけだ。
私は不思議に思いながらも、職場の皆んなに挨拶をする。
「おはようございます」
そして椅子に座った。
すると職場の1人の人が言う。
「よくそんなに冷静で居られますね」
「どういう事ですか?何かあったんですか?」
すると冷静で居られますねと言った人と、私の近くに居た人達が私の言葉に目を見開く。
「知らないんですか?」
すると衝撃な事を言う。
「今朝○×町の通り道くらいの場所で殺人事件がまた起きたんですよ」
「しかも同じ人らしいですよ」
「貴方もあそこくらいの場所が通り道じゃなかったけ?」
「今日出勤して居ない人はそこが通り道だったから、巻き込まれて殺されたらしいわよ」
私はその言葉に寒気がする。
鳥肌がたっているのを感じる。
見知っている人とが、巻き込まれたなんて信じられない。
いつも自分は絶対に無いと、言い切って他人事だった。
あの場所から行って良かった...
もしかして...あの幽霊は私を殺人事件に巻き込まれない様にあの場所に引っ張ってくれたのか?
そして私はで、涙目になる。
あの幽霊に言いたい。
八つ当たりだと、思ってごめんなさい。
そして、殺人事件から遠ざけてくれてありがとう。
本当にありがとう。