お題「手紙を開くと」
目覚まし時計が鳴る。
目を瞑ったまま目覚まし時計を手探りで音を止める。
そこで我に返って目覚まし時計を見ると時計の針は既に8時30分を指していた。
私は慌ててスーツに着替える。
そして着替えながら、職場に遅刻の連絡をする。
そして鞄には昨日用意していたのでそのまま持って玄関まで走る。
朝ごはんは食べずにそのまま行く事にした。
そして走って駅まで行く。
電車に乗って目的地に着くと電車から降りる。
正直これでずっとお金を使っているから、もっと給料を上げて欲しいけれど今はそんな事を考えている暇は無い。
そして走って職場まで行く。
職場に着くと社員全員に謝罪をする。
その時社員の1番仲の良い人が言った。
「すみません。今来たばかりなのに申し訳ないけれど、あの事知らないの?」
私はどういう事か聞くと、どうやら入院していた祖父が緊急事態らしい。
何故私に連絡して来ないのか不思議に思い、携帯電話を開くと病院から連絡が来ていた。
私が寝ていたから...
そして仲のいい社員が言ってくれた。
「病院に行った方が良いんじゃない?」
そう言ってくれた後、大体の社員が頷いてくれた。
そして行ってらっしゃいと言ってくれた。
私は職場を離れて、次は病院へと走って行く。
そして名前を言うと看護士が残念そうな顔で言った。
「すみませんが...命を引き取ってしまわれました」
そう言って何かの紙を看護士が渡してくれた。
「これは何ですか?」
「貴方の祖父さんが...ずっと夜書いていた物です。中身はみてないですが、おそらく手紙でしょう」
私は手紙を開く。
少し雑な字で書かれていた。
お題「さぁ冒険だ」
玄関にかけてある、鍵を取って靴を履こうとする。
すると靴が光って、羽がついて勝手に歩き出そうとする。
しかし俺は驚かない。
そんな事が多々あるからだ。
こういう日は靴に待ってよとお願いする。
靴はまるで人間の様に話せてしまう。
「ちょっと待って!」
「ごめん、ごめん。また勝手に動いちゃった。それじゃあ今日も貴方が履いたら僕が動くね」
「ありがとう」
俺が履くと、例えると電動自転車の様な楽さになる。
歩くのがいつもより本当に楽になる。
「今日は気分転換に空を飛びたいな」
「OK!任せて」
「ありがとう」
時々空を飛ぶ時もある。
その時はほぼバイクに乗っている様な感じ。
浮遊感があって、まるで飛行機を乗っているみたいにも感じる。
初めて靴がこんな風になった時は当たり前だけど、驚いた。
そして初めて空を飛べると聞いた時も驚いた。
まさか現実で空を飛べるなんてね。
空を飛ぶと意外にも俺と同じく、靴で空を飛んでいる人が沢山居た。
俺が空を飛びたいなと言うといつも俺に靴が言う。
「さあ冒険だ」
靴が勝手に場所を教えてくれたりするから、知らない所に行っても大丈夫。
お題「一輪の花」
学校の帰り、いつもは通らない道から帰ってみることにした。
すると花屋があった。
本当にまるで一目惚れでもしたかのように、薔薇の花に目がいった。
とても綺麗だ。
私はしばらく見続ける。
綺麗な一輪の花。
お題「時間よ止まれ」
学校で私は好きな人の話しをする。
すると友達が呆れ顔で言う。
「時間を止めれる力があれば良いのね。そしたら好きな人の顔をずっと見ていられるのに」
私はその言葉に苦笑いをする。
好きな人が居ないから、何とも言えなかった。
友達が私を羨ましそうに見て言う。
「良いよね。あんたは友達が居なくて」
そんな事を言われても、恋は自然に出来るものだから仕方ない。
私も好きな人が欲しいな。
すると友達が冗談交じりに言う。
「時間よ、止まれ!」
すると授業のチャイムが鳴る。
「やっと授業の時間だね」
え?どういう事?
やっとて...まだ今の時間よ止まれで、まるで合図かのようにチャイムが鳴ったのに。
お題「君の声がする」
私は屋上でよく授業をサボる。
いつもの様に屋上で寝転がって寝ていると、冬弥の声が聞こえた気がした。
「...な」
「...るな」
「春菜!」
私は目を覚ます。
目の前には冬弥が居た。
冬弥は寝転がっていた私を覗き込んでいる体勢だった。
「何よ」
彼は私の好きな人。
「昨日も付き合ってくれって言ったよな」
そう、両想いなのだ。
「だからさ...付き合えないって言ったじゃん」
「何でだよ」
「もう...何回言ったら気が済むのよ。冬弥が幽霊だからでしょ?」