今日もパーティーは延期 / 目が覚めるまでに
あなたが目を覚ますまでに、
とっておきのケーキを用意しておかなければなりません!
なんといっても、今日はあなたのお誕生日ですからね。
例え■■■■■■■■■■年が過ぎていたとしても、
あなたの■歳の誕生日は一度きりですから。
ええ、うん、何も心配いりませんよ。
私はずっと、最高の誕生日パーティー会場を用意して、
あなたのことを待ち続けています!
……ああ、待ち続けると言っても……
そろそろお目覚めになっても良いのではないですか?
傷んだケーキたちが、そろそろ星を埋めつくしそうです。
新章突入 / 終わりにしよう
「―――もう、終わりにしましょうか」
先輩がいつになく神妙な顔つきで俺にそう告げる。突然のことに面食らい、思わず胸がどきりと波打った。
「な、何を」
「おれたちの今の関係と現状を、です」
先輩と俺の関係と現状。
職場での先輩後輩の形を保ちつつも、波長や好みが合うということで、お互い同僚よりも絡む頻度が多い相手。
なんなら今週は4回外食し3回お互いの家に泊まっている。
つまり、仕事仲間というよりほぼ「友人」だ。
下手したら、「友人」よりも深い関係かもしれない。
居心地としては―――かなり良い。良かったはずだ。
「……なるほど。先輩は俺と、どうなりたいんです?」
心なしか声が震えてしまう。そんな俺の様子には気付かずに、先輩は一拍置いて―――答えた。
「友人から『大親友』くらいにはなってもいいかと!」
先輩は、ぱっと花が咲くように笑う。
……そういうことね。それなら「終わり」というか、「レベルアップ」というか……
「ついでにルームシェアなんかしてもいいんじゃないかと!」
「いきなり勢いつきすぎでは?」
「けど家賃生活費諸々、折半でお得ですよ」
きみ、お得なの好きでしょう。
そう言って、先輩は朗らかに俺の顔を覗き込む。
うーん、乗った。
参列しろと君は揺れる / 窓越しに見えるのは
火葬場にはいかなかった
骨と煙になる君を見たくなかった
だが何気なく窓の外を見てみれば
「うらぎりもの!」
と茶化すように
煙になった君が
ゆらゆらと
見えて
消えて
きえて
……
「性格が悪いな、君は」
ちょ~~~めいな何か/君と最後に会った日
うわ~っ久しぶり!いやあ、君は全然変わらないね。
ちょっと瞳が青くなったくらいかな?
いや、綺麗な髪も1mくらい伸びてるな。
君と最後に会ったのは……私の記憶が正しければ、
うん、そうだ、
ちょうど513年前じゃないか?
……1年短い? あはは、ごめんって。
終わりをくるむランデブー/世界の終わりに君と
もし地球最後の日が来たらさあ、授業なんか出ないで、
あたしと2人で原宿行って、でっけえクレープ食べに行こうぜ。
なんて君が言う。
すぐにでも世界が滅んでほしい理由ができてしまった。