蓮-中性女子

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8/31/2025, 10:42:37 AM

23 8月31日、午後5時
◇ほんわかBL注意◇

俺は今、とても焦っている
めっちゃ走ってる
『宿題うつさせて!!』
夏休み最終日、ギリギリまで貯めた宿題を終わらせるべく、幼馴染の優等生を頼る
「今年も貯めてたんか。お前はいい加減自分で、、むぐっ!」
『ええから早く!』
説教が始まりそうな口を塞ぐ
幼い頃からずっと手伝ってもらってるので遠慮なんてない
罪悪感なんて宇宙の彼方へぶっ飛んでいた
「まぁ、来ると思ってたから机の上置いてある」
『マジでありがと』
ダッシュで部屋に入り綺麗な文字を汚ぇ文字でうつしていく
「うつし終わったらかせ、丸つけするから」
飲み物を持って来てくれるのも、手伝ってくれるのも相変わらずだ

『ほんまにいつもありがとな』
「ほんまに、何時になったら自分でするんだか?」
『多分一生無理』
「じゃあ、僕がずっとお世話しないとやん」
『えぇ、ずっと一緒にいてくれるん?』
「僕が居らんと生きてけへんやろ。お前は」
そう言って頭を撫でてくる
『お前がおったら、一生ダメ人間になりそー』
そう言って抱きつく、小さい体はすっぽり俺の腕の中だ
「ある程度は自分でやれよ、、、あと暑いから離れてくれ」
『ええやん、ええやん』
俺がクーラーの温度をめっちゃ下げて合法的にくっつ居たのは8時を過ぎた時だった

8/31/2025, 9:37:55 AM

22 ふたり

君とふたりきり
この汚れた世界で君が汚されないように
ずっとずっと閉じ込める
君は僕以外いらないでしょ?
醜い人と会いたくないでしょ?
僕なら欲しいものは全部あげる
苦しい事辛いことなんてないから
何でもしてあげる
だからずっと僕といるんだよ
君は一生僕と
ふたりきりの世界で生きるんだ

8/10/2025, 9:45:38 AM

21 風を感じて

僕はもう残り少ない人生で今1番風を感じているだろう
高い高いビルの上
ネオンに輝く街を見下ろし
背中から飛び込む
背中からすごい風を感じながら
下へ下へ落ちてゆく
僕には少しこの世界は早かったみたい

8/6/2025, 11:06:34 AM

20 またね

「またね」
『さよなら』
はぁ、面倒くさ
そう思いさっきの女の連絡先を消す
ずっとすがってきて泣きそうだったから交換しただけ
今頃泣いててもどうでもいい
顔だけで寄ってきた女はみんな面倒だ
金だけ払わせてあとはさよなら
みんな「またね」なんて言うけどこっちからすれば一生さよならだ
『ただいまぁ』
家に帰り俺より小さい背中にハグをする
「おかえり どうだった?」
『いつも通り 奢らせて帰った』
「最低 クズ男じゃん」
『前から知ってるだろ
ねぇ、嫉妬しないの?』
「しない だって絶対帰ってきてくれるでしょ?」
『まぁ、さよならって言わない限りはね』
俺が唯一『またね』って言う相手
俺の居場所、俺の大好きな人

8/3/2025, 10:14:14 PM

19 ぬるい炭酸と無口な君
◇ほんわかBL注意◇

『うお、やべ』
ラムネを開けたら見事に噴火した
屋台のおっちゃんめ 絶対振っただろ
「、、、、」
ハンカチを無言で差し出される
『ありがと』
手を洗ってハンカチを借りる
借りたハンカチは当たり前のように僕のカバンに入れる
洗って返すから
『肉食いに行こうぜ肉』
そう言うと君は無言で手を繋いで歩き出す
生憎身長が小さい俺は埋もれがちだが君は大きいから結構人避けになる
男同士で繋ぐのも悪くない
『お前も食う?』
こくん
財布を取りだしながら頷く君
焼き鳥を買い二人で食いながら食べる
『すっかりぬるくなったなぁ』
夏の暑さですぐにぬるくなったラムネをごくごく飲む
『ぬるいけど、飲むだろ?』
君は無言で俺の手からラムネを取り少し口に含む
何度か口にしてから俺に帰ってきた
ラムネを全部飲みほし花火が綺麗に見える穴場に行く
もちろん手を繋いで
「ねぇ、俺と一緒にいて楽しい?」
人が少なくなってきたところで君が口を開く
『楽しいに決まってるじゃん』
「、、、そっか」
そこからは2人とも無言で歩いた
心地よい空間だった
誰もいない神社
人が居なくて花火も綺麗に見える秘密の穴場スポットだ
君が座り君の膝の上に俺
体格的にすっぽりはまる
いつの間にか定位置になっていた
花火が始まる
『綺麗だな』
「、、、、そうだね」
少し見て飽きたのか君は俺に顔を埋める
「、、、、、好きだよ」
花火の終わりぎわ呟いた君の声は確実に俺の耳に届いた
嬉しいな、帰りはまたラムネ買って帰ろ
ラムネみたいに甘くてシュワシュワして冷たすぎず熱すぎない俺の恋

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