19 ぬるい炭酸と無口な君
◇ほんわかBL注意◇
『うお、やべ』
ラムネを開けたら見事に噴火した
屋台のおっちゃんめ 絶対振っただろ
「、、、、」
ハンカチを無言で差し出される
『ありがと』
手を洗ってハンカチを借りる
借りたハンカチは当たり前のように僕のカバンに入れる
洗って返すから
『肉食いに行こうぜ肉』
そう言うと君は無言で手を繋いで歩き出す
生憎身長が小さい俺は埋もれがちだが君は大きいから結構人避けになる
男同士で繋ぐのも悪くない
『お前も食う?』
こくん
財布を取りだしながら頷く君
焼き鳥を買い二人で食いながら食べる
『すっかりぬるくなったなぁ』
夏の暑さですぐにぬるくなったラムネをごくごく飲む
『ぬるいけど、飲むだろ?』
君は無言で俺の手からラムネを取り少し口に含む
何度か口にしてから俺に帰ってきた
ラムネを全部飲みほし花火が綺麗に見える穴場に行く
もちろん手を繋いで
「ねぇ、俺と一緒にいて楽しい?」
人が少なくなってきたところで君が口を開く
『楽しいに決まってるじゃん』
「、、、そっか」
そこからは2人とも無言で歩いた
心地よい空間だった
誰もいない神社
人が居なくて花火も綺麗に見える秘密の穴場スポットだ
君が座り君の膝の上に俺
体格的にすっぽりはまる
いつの間にか定位置になっていた
花火が始まる
『綺麗だな』
「、、、、そうだね」
少し見て飽きたのか君は俺に顔を埋める
「、、、、、好きだよ」
花火の終わりぎわ呟いた君の声は確実に俺の耳に届いた
嬉しいな、帰りはまたラムネ買って帰ろ
ラムネみたいに甘くてシュワシュワして冷たすぎず熱すぎない俺の恋
8/3/2025, 10:14:14 PM