26 ひとりきり
また嘘ついた
今日は行くって言ったのに
いざ行こうってなったら頭痛、吐き気に腹痛
あ〜あ、今日も行けてない
ずっと部屋でひとりきり
明日はどう? 行けそうか?って聞く声がまた
夜に響く
分からへん、行きたいけど
なんでか、行く気がおきひんねん
めんどくさいはアカンやろ?
それ以外には無いんやもん
言語化できひん感情がズブズブ僕を溺れさす
だから僕はひとりきり沈んでいく
25 フィルター
率先して行動
当たり前に好成績
部活でも活躍
フィルターを通してみんなが見る僕
だらけて怠け者
足の踏み場もない部屋
何も出来ない滑稽な僕
フィルターを外して見る僕
フィルターが外れないように
みんなの理想が崩れないように
今日も僕はフィルターを埋め込む
24 ページをめくる
静かな夜
月に照らされながら本を読む
風やたまに通り過ぎていく車の音
虫の声、気が揺れる音
紙の手触りを感じながらページをめくる
最近本屋が潰れた
よく通ってたのにな
やっぱり電子書籍の方が人気になってきたんかなぁ
少し残念に思いながら本を閉じる
今日はここまでにしとこう
お月様、おやすみなさい
23 8月31日、午後5時
◇ほんわかBL注意◇
俺は今、とても焦っている
めっちゃ走ってる
『宿題うつさせて!!』
夏休み最終日、ギリギリまで貯めた宿題を終わらせるべく、幼馴染の優等生を頼る
「今年も貯めてたんか。お前はいい加減自分で、、むぐっ!」
『ええから早く!』
説教が始まりそうな口を塞ぐ
幼い頃からずっと手伝ってもらってるので遠慮なんてない
罪悪感なんて宇宙の彼方へぶっ飛んでいた
「まぁ、来ると思ってたから机の上置いてある」
『マジでありがと』
ダッシュで部屋に入り綺麗な文字を汚ぇ文字でうつしていく
「うつし終わったらかせ、丸つけするから」
飲み物を持って来てくれるのも、手伝ってくれるのも相変わらずだ
『ほんまにいつもありがとな』
「ほんまに、何時になったら自分でするんだか?」
『多分一生無理』
「じゃあ、僕がずっとお世話しないとやん」
『えぇ、ずっと一緒にいてくれるん?』
「僕が居らんと生きてけへんやろ。お前は」
そう言って頭を撫でてくる
『お前がおったら、一生ダメ人間になりそー』
そう言って抱きつく、小さい体はすっぽり俺の腕の中だ
「ある程度は自分でやれよ、、、あと暑いから離れてくれ」
『ええやん、ええやん』
俺がクーラーの温度をめっちゃ下げて合法的にくっつ居たのは8時を過ぎた時だった
22 ふたり
君とふたりきり
この汚れた世界で君が汚されないように
ずっとずっと閉じ込める
君は僕以外いらないでしょ?
醜い人と会いたくないでしょ?
僕なら欲しいものは全部あげる
苦しい事辛いことなんてないから
何でもしてあげる
だからずっと僕といるんだよ
君は一生僕と
ふたりきりの世界で生きるんだ