なにかに熱くなったことがない。勉強も、部活も、恋愛も。カードを集めたり、アイドルを推したり、なにかで大きな記録を残そうと思ったこともない。みんな気づけばなにかに夢中になって、熱くなって、キラキラしてい見えて、見るたびになんの明かりもなくて真っ暗なはず心がさらに暗くなったような気がした。
そうはいっても夢中になれるものを探したこともない。ただ、自分は周りと比べてつまらない人生を送っているのだろうかと少し寂しくなるだけ。周りへの羨ましさは灯りを灯してはくれない。嫉妬や劣等感、孤独感も自分を変えてはくれなかった。
誰かが「つまらない人だ」と言った。「このグループ一緒に推そうよ!」「なんでこの良さがわからないの?」「人生損してるよ」と言った。
灯せるなら灯してほしい。方法を教えてほしい。もっともっと明るくしてほしい。
このときには心には小さな灯火が生まれていた。
2023/9/2 テーマ「心の灯火」
君の澄んだ瞳はいつも美しく輝いてる。きれいな心をもっているからそんな澄んだ瞳をもっていて、君の瞳に映るものはキラキラ輝いているのかな。どうすればその瞳を守れるかな。美しいものだけをみせようか、明るい話をたくさんしようか、楽しい場所へつれていこうか。そんなこと私にできるかな。不安なことも辛いことも私にまかせて。汚れたものを見ないで。
そんな顔しないで。
"大丈夫、君の瞳に映る私は美しい"
私は君の瞳越しに美しさを感じるんだ。
2023/7/30 テーマ「澄んだ瞳」
" "のところの意味
①「私」を心配する「君」を安心させたい
②「君」の瞳に「私」が美しく映れているか確認
③汚れを背負う自分を安心させたい
ある8月の終わりごろ。俺たちは重い空気の中誰一人話さずうつ向いていた。
「終わりにしよう...?」
Bが切ない眼差しで諭すように言ってきた。
「...」
俺はため息をつく。
「過去の俺たちが悪いんだ。これが俺たちの運命なんだよ!」
「いや...まだかえられる!あと少し一緒に幸せに過ごそうよ!」
「残りあと少しなんだ...ここで諦めたら恐ろしいことが起こるのは目に見えてるだろう?」
「全然まだまだあるじゃないか...そのときは...一緒に死のうよ...」
「おまえ...なに言ってるんだ...ここで諦めたら俺たちの今までの苦労はどうなるんだ!」
「これ以上どうがんばるっていうんだ!終わりがみえないんだよ!それに俺...お前が辛そうなのみてるのが嫌なんだ」
「...!、、おまえ...、」
俺たちはお互い涙ぐんだ目で見つめあった。
そのときずっと黙っていたCが口を開いた
「いやこれ夏休みの宿題な?ちゃんと終わらせろよ」
2023/7/15 テーマ「終わりにしよう」
空を見上げるといままでにみたことのないくらいの大きな入道雲が空に浮かんでいた。
私はふと思った、私に似ていると。
仕事に追われ、がんばってもがんばっても成果がでず、親には心配をかけて、何一つうまくいっていない。そんな中で毎日毎日ストレスだけが溜まるがうまく発散できず、信じられないくらい大きくなってからいきなり心が不安定になり、お酒を飲んで、泣いて、物や人に当たってしまう。迷惑で最低だ。自分のことばかり。また空を見上げ睨むとさらに入道雲が大きくなったように見えた。
2023/6/29 テーマ「入道雲」
子供の頃、私はなにもわかっていなかった。サンタさんは本当にいると思っていたし、仮面ライダーにも宇宙飛行士にも願えば絶対になれると思ってた。学校の問題も1+1のような簡単な問題ばかりでずっと楽勝だと思っていたし、家族や友達とはこの先ずっと一緒にいられるのだと思っていた。それに好きな子にどう思われるのかも考えていないから家まで簡単に行って、一緒に遊ぶなんてこともしていたらしい。中学・高校時代にはだんだん大人に近づくにつれてだんだんいろいろなことが難しくなっていく、自由じゃなくなっていく。そんな風に思っていった。そんな私もまだなにもわかっていない子供だった。
昔のことが溢れ出すように思い出される。これが走馬灯なのだろうな。今妻、息子、息子の嫁、孫が側で泣きながら床に臥せる私をみている。今また私はまだ自分が知らなかったことがたくさんあることに気づいた。昔とは別人になり、口うるさくなった妻は今でも変わらず私をとても愛してくれていたこと。家をでてからろくに連絡もよこさなかった息子は私のことを気遣っていてくれたこと。私の病が理解できるほど孫が成長していたこと。素敵な友人がいたこと。止めても無理をしてまで最後まで私に心配かけまいと元気な素振りをしていたあのときの両親の思い。
私はまたわかっていなかった。子供の頃のように多くの気付きを未だに得ている私はまだどこか未熟なのだろうか。人はいつから大人になるのだろう。成人したら?お金を稼げるようになったら?体が成長したら?そんな理由では納得しがたいなにかがある。私は見た目は子供とは言えないが中身はまだ未熟だ。私は子供の頃のようにまだ疑問を持ち、答えを探している。
2023/6/23 テーマ「子供の頃」