私は白が好きだ。綺麗で明るいから安心できて他のどの色にも合うから。
私も白になりたかった。誰とでも楽しく話せ、明るく、まるで太陽の白い光のような綺麗で真っ白な彼女が羨ましくて、まぶしくて仕方なかった。そしてなにより側にいてはいけないと思った。あの子と私は違う。私は他のどの色にももう染まれない黒だ。そして黒はどの色をも黒く変える。側にいることで彼女の色が変わるのがとても恐ろしかった。
2023/6/21 テーマ「好きな色」
彼を見つけて久々に心臓が高鳴った。
思いを伝えられずに高校を卒業。初恋だった。
初恋の人と結ばれるのが夢だった。でも勇気がでなくて私は夢へのチャンスを自ら捨てたのだ。
それから5年。まさか本当に同じ会社にいるとは...。
心臓の音が止まない。彼が会社にいたことに驚いて鳴っているのか、告白をばらされそうで緊張しているのか、気づいてくれるか怖くなっているのか、まさかまだ彼に恋しているのか。この懐かしい胸の高鳴りが押し殺してきた思いを溢れさせる。
「失恋」とは恋する思いが通じなかったり、拒絶されることを言うらしい。ずっと失恋したと、チャンスはもうないのだと思ってた。もしもう一度がんばることができたならこれは失恋じゃなくなるのだろうか。
まだ失っていなかった恋の続きにまた胸が高鳴った。
2023/6/3 テーマ「失恋」
ただ、必死に走る私。何かから逃げるように―。
7:00にアラームをかけたのに6:30に目を覚ました。
今日もいつもと同じ夢。夢とは思えないほどはっきりしていてまるで昔本当に体験したかのような感覚がある。けれど、何に向かって何から逃げているのかはまったくわからない。なぜか目から涙がこぼれた。何かを後悔しているときのように胸が痛んで、ぐっと押さえつけられているような感覚。逃げたことに後悔しているのだろうか。それともその先を思い出せなくなったことを後悔しているのか...。私は思い出したいのに思い出すことになぜか不安を抱いている。私はきっとまだその何かから逃げている途中なのだろう。
2023/5/30
テーマ
「ただ、必死に走る私。何かから逃げるように」
「ごめん、ほんとにごめん」
...ずっと言わせたかった言葉だと思ってた。でも違った。そんなこと言ってほしかったんじゃない。
いつもの喧嘩ならあなたの「ごめん」は私を安心させた。でも今回は「ごめん」という言葉がさらに私を孤独にして、私に私があなたとの続きをまだ期待していたことに気づかせる。
「やり直したい」「君じゃないとダメだ」「愛してる」そんな言葉を待っていた。
どうしてそう言わないの...?私がダメだったの...?
そんな言葉が私の心いっぱいに広がって私を苦しめる。でも吐き出せなかった。悔しくて、寂しくて、涙が溢れだしそうだけど私のプライドがその言葉を押し殺した。
震える手で私は少し膨らんできているお腹を押さえる。私から離れないように、この子に私の苦しみが伝わらないようにしっかりと押さえた。
「...ごめんね」
2023/5/29 テーマ「ごめんね」
―あなたは、天国と地獄どっちにいるの?
あなたと何度もこんな会話をした。
「死んだら天国のおばあちゃんに会えるかな」
「今頃じいちゃんはばあちゃんとか友達とかと酒飲んでるんじゃないかなぁー」
「こいつは地獄行きだな」
「死んでもまた生まれ変わって一緒になろうね」
罪を犯して死んだあなたは周りから悪人だと言われているね。あなたが罪を犯したなら天国に行くことを許さないって思う。でも私はあなたが地獄に行くような人だと思えない、天国にいるって思ってる。おじいちゃんとおばあちゃんも一緒にいるでしょう?
ねえ...どっちにいるの?どこからが地獄なの?私は今地獄のようなところで生きているの。あなたに会いたい。でも死んでもあなたがいないのならどこへ行っても地獄。あなたが地獄にいるなら私は罪を犯してからあなたのもとへいくのに。
2023/5/27 テーマ「天国と地獄」