大狗 福徠

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9/30/2025, 2:57:16 AM

モノクロ
登校、学習、帰宅、睡眠。
登校、学習、帰宅、睡眠。
登校、学習、帰宅、睡眠。
繰り返し繰り返しですり減る日々は当たり前に色褪せる。
節目に。
出社、仕事、帰宅、睡眠。
出社、仕事、帰宅、睡眠。
出社、仕事、帰宅、睡眠。
色褪せた日々は境がぼやける。
境の薄れた者たちは否応なしに溶け合っていく。
モノクローム。セピアチック。
ワンパターンの配色にのまれていく。
色が濃くても薄くても、有色彩でも。
混ざればただの溝色になる。
擦りきれたモノクロームも、
うすぼけたセピアチックも、
けがれのない有色彩も。
結局は薄汚い溝で、流れて消えて分からなくなってしまうのだった。

8/29/2025, 8:54:06 AM

夏草
青々としたくさっぱらの海に呆然と立っている。
空には雲ひとつない。
地平線までが透き通って見渡せるほどだった。
ジリジリとした暑さが肌を焼く。
体中から汗が噴き出る。
しかし遮るものはない。
あるいは、草を編んで被ればマシだろうか。
私は一体どこから来たのだったか。
どんな目的で、どうやって?
夏草の群れは依然として青々しい。
強度は十分にあるだろうか。
屈み込んで、引きちぎろうと手を伸ばす。
瞬間、強い風が吹いた。
日陰が必要ないほどの涼しさをもたらしている。
手元の夏草を見つめる。
青々とした夏草は陽光と風を受け生き生きとさざ波合っている。
そのまま地べたに座り込む。
燦々と輝く太陽が煌々とこちらを見つめている。
どうやってここまで来たかなんて覚えていないが、
足があるのだから歩いていけばいいだろう。
すっくと立ち上がり、目の前に歩いていく。
どこに進めばいいかなんてわからないが、進めばきっと何かある。

8/27/2025, 3:18:25 PM

ここにある

風が流れるように、
海がさざ波を起こすように。
この世にとどまり続ける永遠など
ひとかけらもありはしない。
それでも私は求めてやまない。
今を生きとし生けるもの共その全てが、
その胸の内に、
体内にのみ下したその想いや思いは、
それだけは。
ただただ個々にあり、
ここにあり、
決して潰えるものではないと。

8/24/2025, 11:25:48 AM

見知らぬ街

見知らぬ景色。
ここは私の知らない場所。
知らない場所は未知で満ち満ちているわけで、
ここは私にとって異世界だった。
ここに来るまで、留まるまで何があったわけでもなく、
ただここから出る気力がないのであろう。
足りない頭で孤独を啄み続けている。
孤独はいつか孤毒となる。
体を蝕むそれらを無視するわけには行かないというのに、
体も頭もいうことを聞きはしない。
これでは屍に変わりないだろう、と嘆き続けている。
生き返りたいのに、死ぬのが怖いのに、
それ以上に知らないを知ることが恐ろしい。
知ったことで、知らない自分が殺されるのが怖い。
毎秒毎秒、知識が、知見が覆されていく世界。
変わってしまった帰り道。
切り倒された、秘密基地のあった森。
なくなってしまった大好きな遊具。
みんなみんな変わってしまって、
ここはもう見知らぬ街になってしまった。
見知らぬ街を知ることが、見ることができなくて。
まだみんなと遊んでいたくて。
一緒に給食を食べてたくて。
学校に行っていたくて。
休日には買い物とか行きたくて。
けれどここはもう知らない場所だから、
見知らぬ街だから、
啄んだ孤独に啄み返されて消えてなくなるしかないんだ。

8/23/2025, 4:39:37 PM

遠雷
輪郭までもがとろけてしまいそうな、長い長い雨の中。
ざあざあ振りの外には目もくれない貴方がいる。
その目はいつだって虚ろで、真剣で。
相反する感情を発露させたその瞳が私は大好きだった。
その目は、貴方の象徴であり、まさしく私の恋の象徴だった。
筆を取る。
絵の具を溶かす。
キャンバスに色を付けていく。
ひとつひとつの動作が洗練されていて、
美しいなんてそんなものじゃないくらいだった。
遠くで雷が鳴っている。
貴方はわざわざこんな雨だらけの街に越してきて、
雨ばっかりを描いていた。
私の恋の象徴は、貴方の愛の象徴だった。
貴方は、雨を愛している。
湿気た風を、暗い空を、重い空気を。
叶わない恋を、お互い背負い続けている。
私も貴方も、この気持ちを世界に打ち明けずに死んでいく。
遠く遠くで雷が鳴っている。
私達のように。
出会うことはないと言わんばかりに。
でも、それでも。
貴方の愛は世に残り続けるのだから、
貴方だけはきっと報われるのでしょう。

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