私へ
どんなに辛くても惨めでも蔑まれても
私を諦めないでくれてありがとう。
私が私でいれるのは昔のあなたが
私のことを諦めないでいてくれたからです。
あなたが悩んで下してきたこれまでの全ての選択たち、
どれをとっても間違いはありません。
友人がいなくて不安でも沢山あなたが本を読んだり、
話せないなりにたくさんの人に話しかけてくれたおかげで
私の周りは素敵なもので溢れています。
友人関係には恵まれなかったけど私のためにあなたが最大限努力してくれたことを私が1番知っています。
今までもこれからもずっとありがとう。
私より
別れとは、人と人とを繋ぐ記憶たちが消えてしまうことである。
罪悪感
私にとっての真夜中とは罪悪感を抱くための時間である。
真夜中に今日1日の行動を振り返りあの時こう返していれば良かった、あの時私が1番に気づくべきだった。などの他の人ならば気にも留めないようなことについて熟考し罪悪感を抱くのだ。
そこから更に1年前、5年前、10年前にしてしまった行動についても罪悪感を抱くのである。
この行為には意味がある。
どんなに他人に可哀想だと怠惰だと言われようとも自分だけは自分がどれほど努力してきたのかを思い出せる人間になる為の行為だ。
私を1番に信じ、愛さなければいないといけないのは私だ。
恋人でも家族でも友人でも先生でもなく。
私の心を守ってやれるのも全部、私だけだ。
だから私にとっての真夜中とは罪悪感を抱き、その上で自分を知るための時間である。
今日もまた真夜中を待つ。
後悔
後悔と聞いて1番に思い出すのは苦い、学生時代。
顔の造形に誰よりも自信がなく、常に下を向いていた。
弁当を食べるのも1人。
教室移動をするのも1人。
私は年齢とともに無駄に分厚くなってしまったプライドを捨てることが出来ずについには卒業までにすれ違いざまに挨拶をするような友人さえ作ることが出来なかった。
将来に希望もなければ趣味もない。
精神を病み実家から出ることすら出来ずあの家の子ニートらしいわよ、と見ず知らずの人間からも罵られる日々。
「あんた、高校行かせてもらっておいて親不孝な子供だねぇ」
「やることがないから進学はしない?贅沢な悩みだ。私の頃はね」
アドバイスという名目で行う自分より下のものへのマウント。
井戸端会議がオバサンたちの一日の楽しみなのだから何も言わないでやろう。
いつも通りそれらの言葉をするりと避け部屋に篭もる。
カタカタカタ タンッ
あのオバサンたちがぎゃふんと驚くようなことをしてやろう。
8月17日のカラッとした夏空を眺めながらそういきなり決意したのであった。
まずはアルバイトでもしてみよう。
18歳で平日も入れる、こんな優良物件を落とす企業がいるか?
そう意気込み家から比較的近く、時給も1250円と周りの募集バイトよりも良かったためラーメン屋に応募をした。
「18歳?今年高校卒業したの?若いねー笑」
「アルバイト経験はある?」
「今はフリーターなの?いや、まだフリーターでも無いのか笑」
恐らく40半ばであろう店主の男性の口から溢れる言葉。
一つ一つの言葉が私はこれまでもこれからもまともに生きることは出来ないのだ。と植え付けられえているようであった。
「今日はありがとうございましたー笑 合否の方はね、あーまた後でね、ほらお電話させて貰いますから」
後日ラーメン屋の店主から合格の旨を伝える電話を受けた。
アルバイト初日、アルバイトとは私が思い描いていたものとは違い思っていたよりもだいぶ、いやかなり酷であった。
まず客に笑顔で話しかけなければならない。
学生時代クラスメイトにすら話しかけられなかったのだからここでも上手くいくはずはなかった。
かと言ってそれ以外の業務に問題は無いのか?と言われるとそうでは無い。
大きい声は出ない。注文は間違える。
「アルバイト初日で大変なのはわかるけどこれは、ねぇ笑」
厨房から聞こえる話し声。
このお店のクチコミの低評価の原因はこれなんですね、と瞬時にコメントが脳裏を過ったが寸前のところで飲み込んだ。
プライドはやはり人よりも分厚く成長しているのでお前が教えないのが悪い、と心の中で悪態を着いた。
その時入った生ビール6つの注文。
「これも経験だと思って運んでこい」
断ることも出来ない私がするべきは客のいる目的の席まで零さないように細心の注意を払ってただの一滴も零さないこと。
この程度なら私にもできる。そう過信した私が愚かだったみたいだ。
客の席近くにやっと着いたと思った時店内を走り回る子供が私の右足に衝突した。
バランスを崩し私は店の床へ倒れ込み持っていたジョッキビールは客の机に見事着地したと思われたが再度見上げてみるとその席の客だけが服が透けていた。
倒れ込みながら私は反省の素振りを見せることも無く
やはり変わろうとすることは愚か者が行うことだった
と真剣に考えていた。
それでも脳の端では私は私を省みれないことについて反省すべきたと後悔をしていた。