あぁ。明日は学校か。
行きたくないな。
いや、別にいじめられいるわけではないのだけど。
僕は、学校の何に不満を感じているんだ?
そんなことを考えながら、僕は眠りについた。
窓からカーテン越しに光が差した。
目が覚めるとそこは、別世界だった。なんてことはなく、普段どうりの部屋で起きていた。
目が覚めたら別世界にいたとか、あるわけないもんな。
顔を洗って、髪の毛を整えて、着替えて。
また、普通の日常が始まる。
「母さん、起きたよ。」
あれ、返事がないな。しょうがない、キッチンに行ってみるか。
「かあーさーん。」
ドアを開けたが、そこには誰もいなかった。
もしかして、体調が悪いのか?
寝室に行ってみたが、誰もいなかった。
しかし、ベッドの横の置き手紙にはこんなことが書いてあった。
『はやく にげて』
近くにはペンが落ちてた。
心臓がバクバク動いた。
僕は慌てて外へ出た。
景色が違った。
空気感も違った。
どう考えたって、僕の家の前の風景ではない。
どうやら来てしまったようだ。
もう、手遅れみたいだ。
学校のほうがマシだったのに。
誰かにとってのバッドエンドは、誰かにとってのハッピーエンドとなっているのよ。
あなたがバッドエンドを迎えれば、私はハッピーエンドを迎えられるのよ。
私は、ハッピーエンドを迎えたいの。
だから、少し痛い思いしてもらうわ。
まだわからないの?
あなたが辛い終わりを迎えれれば、私は幸せなの。
大丈夫、心配しないで。
来世では、ハッピーエンドを迎えられるわ。
私は平凡な人間だ。
テストは平均点。新体力テストでは、いつもA〜Eの中でC。
歌は上手くもなく下手でもなく、絵は一般的な出来ぐあい。
そう、全てが平凡なのだ。
誰だって何かしらの才能を持っているとよく言われるが、私には全くない。
だから、私はなにかの才能を持った人間に憧れている。
別に、何でもできる人間になりたい訳では無い。
他の人のように、何かしらの才能を持っている「特別な存在」になりたい。
いや、ここまで平凡だと、ある意味「特別な存在」なのか?
今日で20歳。
二分の一成人式のときに書いた手紙を、読む日が来た。
内容は、全く覚えてない。
手紙を開き、中を読んだ。
20歳の私へ
こんにちは。私は、10さいの私です。
女ゆうさんになる夢は、叶いましたか?
どうせ、叶ってないでしょう。
「大人になったら、公む員になりなさい」と、お母さんはよく言います。
私は、ずっとそれに反発していました。
でも、大人になったら、そういうことに反発できなくなると思います。
だから、公む員がんばってください。
10歳の私よ。
あなたは十年後、公務員にはならず、未だに女優を目指しているよ。
今日はバレンタインだ。
俺は、この日がこの世のイベントの中で一番嫌いだ。
クリスマスよりも嫌いだ。
クリスマスは、友達や家族と過ごせるからいい。
バレンタインは、誰からも好かれたことがない(男女ともに恋愛的な意味で)俺にとって苦痛だ。
生まれてから20年間、本命どころか、義理すら貰ってない。
なんか、笑えてきた。
俺の友達は、今日恋人と過ごすようだ。
そして、俺は一人。
いや、別にいい。
一生一人だって構わない。
孤独ではないから…