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8/5/2025, 10:46:39 AM

泡になりたい

泡になりたい。御伽噺の人魚姫みたいに。
ぷかぷか浮かんで、静かな海の中で、一瞬で消えてしまうけれど。その儚い一瞬になりたい。
静かに、ただ、静かに。
何も考えることもなく、ただ、水面に向かうだけ。
抗うこともなく、静かに弾けるだけ。
泡になって、綺麗に弾けてしまいたい。
なれるはずなんて、ないのに。

8/4/2025, 11:08:34 AM

ただいま、夏。

夏の暑さ、セミの音。夏を感じはするけれど、ただいまとは思わなかった。夏は、好きじゃないから。暑いし、気に病むことが重なるから。

夏休みに入って、リビングで甲子園を見ていた。空調の効いた部屋で、大の字になって。
やることが終わったらゲームをした。
普段やらないお菓子作りをした。
誰もいない学校で、一日中勉強した。

心地よい。

ただいま、夏。

8/3/2025, 11:18:23 AM

ぬるい炭酸と無口な君

無口な君と、偶然一緒に帰ることになった。私と話す気は全然ないらしい。私は何か話題を見つけないとと焦りながら、自販機で炭酸のジュースを買った。
今日は暑いね、とか、今日何したとか、別に無理して話さなくてもいいはずなのに、私は君と話してみたかった。私が一生懸命にしているうちに、炭酸はぬるくなってしまっていた。
「炭酸ぬるくなっちゃったな。」

別に言わなくてもいいことを、私は何故か君に言った。
無口な君は何故かそれを聞いて、少し笑った。

「君が必死だからじゃない?」

少しからかうように、無口な君は笑って言った。


ぬるくなった炭酸を飲みながら、少しだけ、夏の暑さに感謝した。

8/2/2025, 11:44:28 AM

波にさらわれた手紙

私は私に手紙を書いた。自分を責め立てる手紙。
自分の弱さを責める手紙。自分の嫌いなところしか書かなかった。その手紙が、いつか私の元にまた届いて、忘れた頃の私を攻撃するために。自分の弱さを忘れた愚かな私が、また自分の弱さを分かるように。自分を責める手紙を書いた。世界という波にさらわれた私を、自分の弱さと愚かさを目印に見つけ出してくれるかもと思った。

波にさらわれた手紙のように、私は世界に埋もれた。

8/1/2025, 11:09:11 AM

8月、君に会いたい

8月、夏休み。君に会えない、寂しい月。
ずっと一緒にいられるなら、こんなに寂しくないはずなのに。
君に会いたい。浴衣を着て、花火を見て、肩を寄せあって。これから8月が終わるまで、君とずっと一緒にいたい。
心地よい時間を、終わらない夏休みのように、ずっと一緒に過ごしていたい。

8月、君に会いたくなる。君と一緒に居たくなる。

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