NoName

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11/20/2024, 10:19:30 PM

「1番の宝物は何ですか?」
駅前でマイク片手にインタビューが行われていた。
ああ言ったのは苦手だ、どうにも恥ずかしくて逃げてしまう。
ふと、聞こえるのは
お金です
家族です
と言ったインタビューの回答だった。
どうにも、恥ずかしい答えばかりだ。
宝物は恥ずかしいのだろうか?
いや、恥ずかしいと思っている自分が嫌なんだろう。

11/3/2024, 5:46:54 PM

いつからだったろうか。
自分の隣の世界が見えていた。

その世界は今の世界とあべこべで、とても自然だった。
その中の自分は自信があって、活力があって、希望があった。
鏡の中の様で、何処か違っていた。

いつからだったろうか。
本当に鏡の中にいる様になったのは。
いつになったら、変われるのだろうか。
自分が変われば鏡の中の自分は変われるのだろうか。

10/27/2024, 3:58:40 PM

街を歩いていると、ふと覚えのある香りがした。
何だったかな、やけに思い出せない。

周りを見渡しながら歩き続け、思い出した。
カフェだった。

妙に甘ったるい、匂いのくせに何処か苦味があって
僕は苦手だった。
だけど、あの人は好んでいた。
何時も匂いを嫌がる僕を見て楽しそうに笑っていた。

僕も紅茶の香りは好きだった。

10/26/2024, 2:33:53 PM

「愛を持って語り掛ければ伝わる物さ」

唐突だった。
その先輩は、前からよく分からない自論を会うたびに披露してきたのだが
今回は何時もより突然で、意味不明で、僕は何も返せずに、ただただ先輩を見つめていた。

「愛は言語を超越し、種族をも越える力を持っている」

まさかの解説付きだった
なんと言うか、何時もよりウザい。
常時めんどくさい先輩だが、今日は特別だ。

「先輩?どうしたんですか?」

先輩は固まった。
そんなに僕に聞かれるのが嫌だったんだろか?
ちょっと涙目だった、
と言うか泣いていた。

「後輩よ、よくぞ聞いてくれた。
 この前話していた彼女なのだが」
「あっ、めんどくさいので辞めときます」
では、と言って先輩から急いで離れる。
チラッと振り返ると先輩はやはり固まっていた。
まぁ、よくある事なので気にせず行こう。

確かに、先輩のめんどくささは言葉を超越していた様に思えた。