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街を歩いていると、ふと覚えのある香りがした。
何だったかな、やけに思い出せない。

周りを見渡しながら歩き続け、思い出した。
カフェだった。

妙に甘ったるい、匂いのくせに何処か苦味があって
僕は苦手だった。
だけど、あの人は好んでいた。
何時も匂いを嫌がる僕を見て楽しそうに笑っていた。

僕も紅茶の香りは好きだった。

10/27/2024, 3:58:40 PM