「愛を持って語り掛ければ伝わる物さ」
唐突だった。
その先輩は、前からよく分からない自論を会うたびに披露してきたのだが
今回は何時もより突然で、意味不明で、僕は何も返せずに、ただただ先輩を見つめていた。
「愛は言語を超越し、種族をも越える力を持っている」
まさかの解説付きだった
なんと言うか、何時もよりウザい。
常時めんどくさい先輩だが、今日は特別だ。
「先輩?どうしたんですか?」
先輩は固まった。
そんなに僕に聞かれるのが嫌だったんだろか?
ちょっと涙目だった、
と言うか泣いていた。
「後輩よ、よくぞ聞いてくれた。
この前話していた彼女なのだが」
「あっ、めんどくさいので辞めときます」
では、と言って先輩から急いで離れる。
チラッと振り返ると先輩はやはり固まっていた。
まぁ、よくある事なので気にせず行こう。
確かに、先輩のめんどくささは言葉を超越していた様に思えた。
10/26/2024, 2:33:53 PM