11/11/2025, 12:15:02 PM
使い込んで色褪せたお気に入りのカップ。
気に入ったティーバッグを予め注いでいた沸騰した湯の中につける。
香りがフワリと鼻腔を刺激し、目まぐるしい日常をほんの少し忘れさせる。
一分が過ぎる頃には、茶葉は透明な湯に溶け出して深い赤茶色に己の顔が映る。
ティーバッグを引き上げて、甘い砂糖を一匙。これが適量。
クルクルとスプーンでゆっくりかき混ぜて、お茶と砂糖を馴染ませる。
香りと甘さと、お気に入りで満たされた贅沢な一時を、一口口に含んで、心ゆくまで堪能する。
「お題 ティーカップ」#76
11/8/2025, 1:37:09 PM
今にも壊れてしまいそうなほどの透明度。
あの青い大空を透かして何処へと行けるのか?
その脆く儚い羽根で自由は手に入るのか?
どれだけ羽ばたけば、風に乗って飛んで行けるのか…
「お題 透明な羽根」#75
11/8/2025, 12:53:54 AM
煌々と輝く炉を囲み、一時の安息を肺いっぱいに吸い込む。
天を埋める星々は燦然と星図を形作り、今宵の宴に華を添える。
この微睡みの中、互いに聞こえるのは互いの声だけである。
「お題 灯火を囲んで」#74