使い込んで色褪せたお気に入りのカップ。
気に入ったティーバッグを予め注いでいた沸騰した湯の中につける。
香りがフワリと鼻腔を刺激し、目まぐるしい日常をほんの少し忘れさせる。
一分が過ぎる頃には、茶葉は透明な湯に溶け出して深い赤茶色に己の顔が映る。
ティーバッグを引き上げて、甘い砂糖を一匙。これが適量。
クルクルとスプーンでゆっくりかき混ぜて、お茶と砂糖を馴染ませる。
香りと甘さと、お気に入りで満たされた贅沢な一時を、一口口に含んで、心ゆくまで堪能する。
「お題 ティーカップ」#76
11/11/2025, 12:15:02 PM