お題【子供の頃は】
……っていってもまだ高校生。
まだまだ子供。ガキ。
それでも一歩ずつ、確実に近づいている"大人"
3年後には成人。
正直実感はない。
つい昨日まで仲良い男子と鬼ごっこしてた気分。
今では必要以上話さない仲になったけど。
どんな大人になるんだろうなー。
優しかったあの先生みたいになれるかなー。
どんな仕事に就くんだろう。
好きな仕事できるかな、、
来たる未来に期待と不安の思いを馳せたあの日を思い出し、
記憶の1ページを閉じる。
子供の頃は。
日常。
それは、
あたりまえの生活。
あたりまえの日常。
あたりまえ。
朝、お母さんの声で目覚め、
支度をして家を出る。
これも日常。
いつも駅にいるおじさんに挨拶をして、
電車に乗る。
これも日常。
でも、もしそのあたりまえが崩れたら?
日常がなくなったら?
お母さんの声が電子的な音になる。
おじさんがいなくなる。
そんな些細なことで日常は簡単に崩れる。
今の生き方、一緒に見直してみない?
好きな色
君の髪色
君の瞳の色
君が着ていた服の色
君がさしてた傘の色
君と見た海の色
君と行った山の色
君との記憶が私を彩る。
私の好きな色は君との色。
あなたがいたから。
あなたがいたから強くなれた。
あなたがいたからほんとの自分になれた。
あなたがいたから私は今を生きている。
あの時、あなたが絶望に満ちた私に光を見せてくれた。
他者からの勝手な期待に応えるため、自分を隠し優等生を演じていた。
そんな日々に疲れ、そして呆れ、死のうとしていた去年の冬。
あなただけは私を、私自身を認めてくれた。
君は君だ。君が好きなことをしよう。いきなり難しいかもしれないけど、僕が手伝うからさ。
そう言ってくれたあなた。
あなたがいたから私は生きている。
あたながいるから私は生きる。
【相合傘】
一緒に持った2人が入るにしては少し小さい傘。
当然、距離は近くなる。
触れる肩。
向かい合い、行き交う視線。
微笑みあって、
また前を向いて歩き出す。
これは私の遠い日の記憶。
彼はもういない。
彼が亡くなってから今日で早10年。
私はまだ立ち直れずにいた。
雨が降っている。
あの日も雨だった。
高校2年生。
はじめての恋人、はじめてのはじめての相合傘。
付き合いたてだったからあの日は彼も私も浮かれていた。
小さい傘だったから当然距離が近くなる。
触れ合った肩。
向かい合い、行き交う視線。
照れながらも微笑みあって、
また前を向いて歩き出す。
――赤信号に気づかずに。
そこから何が起こったかはわからなかった。
気がついたら病院にいた。
まさか自分がこのセリフを思う時なんて……と思ったのも束の間
隣には白い布を被った彼がいた。
私を庇うように抱きしめ、そのまま轢かれたらしい。
即死。
幸せな日々は壊された。
今日はこの日々を終わらせる。
あの日使っていた傘と同じ傘を手に持ち、
ベランダに出る。
……どうやら過去の記憶に馳せているうちに雨はやんだようだ。
嫌味ったらしい晴天が広がっていた。
まぁいいかと傘を広げる。
肩に何かが触れた。
そちらを見て、、、行き交った視線。
大粒の涙を目にため、精一杯微笑み、
前を向いて歩き出す。
――落ちる。