よつば666

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12/30/2024, 2:47:32 AM

お題『みかん』

 ゲリラ豪雨が止むまでカフェで休憩していた萌香、真珠星(すぴか)、委員長の3人は萌香の注文したデザート『みかんシャーベットムース』について議論し始めた。議論をする前に3人が一口ずつ食していく。

まずは『みかんシャーベットムース』について簡単に説明しよう。シンプルに2種類のみかんがヨーグルトムースの上に乗っているだけだ。2種類と言っても実は同じみかんである。ただ調理法が違うだけだ。一つはみかんを凍らせた「冷凍みかん」、残り一つは「みかんのシロップ漬け」だ。

萌香「2人の評価は星いくつ?あたしは星5だよぉ!」

真珠星「私は星3かな」

委員長「私(わたくし)は星4ね」

萌香「二人とも低くない?」

真珠星「そうか?私は普通に美味しいって思ったからそう評価したんだけど……あと私、知覚過敏だから冷た過ぎるのはちょっと辛いんだよ」

萌香「その割には冷たい飲み物飲んでるじゃん!」

真珠星「それとこれは別なの」

委員長「私も普通に美味しいと思う。けれど……」

萌香「まさか!?委員長も知覚過敏?」

委員長「えっ?!ふふふ((笑))……違うわ。私が思うに少しインパクトが薄いっていうか……物足りなさを感じるのよ。ヨーグルトムースの中にもみかんの風味があっても良いんじゃないかなって」

真珠星「なるほど。じゃあこういうムースはどうかな」

真珠星が提案したのはヨーグルトムースの中にみかんの粒が入った物だという。

委員長「穂先(ほさき)の提案だとみかんの食感が三つ味わえそうね。そう言えば輪通(わづつ)さんの星5という評価はどうして?」

萌香「う〜ん。ちょ〜う美味しかった!それにみかんが大〜好きだからだよ✌️」

萌香の答えがシンプルかつ個人的好物だったそれ2点で星5の評価をしたようだ。
これにて『みかんシャーベットムース』議論を終了いたします。(笑)

End

12/29/2024, 8:21:39 AM

お題『冬休み』

 伊多孝雄(いだたかお)、彼は萌香達の通う市立高校の校長として勤務している。一部の生徒達(夏季補習生)を除いて生徒達の夏休みが始まったと同時に3日間。有休休暇を取った。
そんな短い日程の中で彼は片道、飛行機で約11時間かけて日本を飛び出し兄が住むNZL(ニュージーランド)の首都オークランドを訪れることにしたのです。

『7月◯日 NZLは【冬】私は生徒の皆さんより一足も二足も早い『冬休み』を満喫したいと思います。
朝から日本を出発しオークランドは現在夜の22時。日本から出発する前に兄に到着時間を伝えていたので、空港から出ると兄はすぐにを私を見つけ、車の助手席に乗せ自宅まで車を走らせてくれました。』

孝雄(校長)「兄さん、こんな遅い時間に到着してごめん」

孝雄の兄「どうして謝るんだ?別にお前のせいじゃないだろう」

孝雄「まぁ。……そうだけど」

孝雄の兄「明日どこに行くんだ?俺も一緒に行ってやるよ」

孝雄「本当に?助かるよ。あのさ、マウント・イーデンってあるだろ。そこにある展望台から見える景色が見たいんだ」

孝雄の兄「O〜K!他に行きたいとこは?」

私は兄の質問に対し「特にない」と答えた。それと同時に兄の住む自宅に着いた。
兄の家で軽く晩酌をして深夜1時ごろ私は義姉(兄の妻)が用意してくれたゲストルームで朝まで眠った。

End

12/28/2024, 4:11:05 AM

お題『手ぶくろ』

 父方の祖母に家に引っ越しして間もない頃、赤い紐付きのミトン型の手ぶくろをつけて、雪が積もったある日、まだ名前も知らない近所の子供達と公園で大きな雪だるまを作った。

雪だるまの上部(顔の部分)には落ちている葉っぱや小石、細い木の枝をつけた。下部(胴体部分)の左右に中ぐらいの木の枝を上からさした。中心部分には上部と同じく葉っぱや小石で飾っていく。完成間近の雪だるまを見て子供達は悩んでいた。

 『雪だるまに手ぶくろをつけてあげたい』

だけど自分達が着けている手ぶくろを雪だるまにつけるはなんだか気が進まないようだ。すると一人の少女が––––。

少女「この手ぶくろをつけてあげるよ」

少女は自分のつけていた赤い紐付きのミトン型の手ぶくろを外しそっと雪だるまにつけてあげた。
すると近所の子供達は口々に「かんせいだ〜〜!!」っと喜んでいた。
もちろん手ぶくろを雪だるまにつけた少女も喜んでいる。
公園の中に設置してある太陽電池電波時計(時計塔)から夕方を知らせるメロディーが流れると少女を除いた近所の子供達は各家へと帰って行く。
しばらくしてメロディーが鳴り終えると一人の老婆が公園にやって来た。

老婆「可崘(かろん)ちゃん、ご飯だよ」

名前を呼ばれた少女はその老婆の元へ駆け寄り手を繋いで家に帰る。帰り道老婆は孫に問うた。

老婆「手ぶくろどうしたの?」

可崘「雪だるまにあげたの」

老婆「そうかい。可崘ちゃんは優しいねぇ」

後日その老婆は可崘に新しい毛糸で作った白い雪だるまの絵が入ったミトン型の手ぶくろをプレゼントしたのでした。

End

12/27/2024, 6:20:03 AM

お題『変わらないものはない』

 変わらないものはない。と言う意味の言葉があるらしい。それが【諸行無常】だ。

意味は、世のすべてのものは、移り変わり、また生まれては消滅する運命を繰り返し、永遠に変わらないものはないと言うこと。人生は、はかなく虚(むな)しいものであるということ。(四字熟語辞書引用)

萌香「……だって」

萌香は分厚い四字熟語辞書をめくりながら言った。それに対し全く興味のない真珠星(すぴか)が携帯の画面を見ながら適当に相槌を打つ。委員長が温かい紅茶を一口飲み答える。

委員長「人生って意外にあっけないものかもしれないわね……。ところで輪通(わづつ)さんその分厚い辞書どうしたの?」

萌香「地元の図書館で借りたの。ここまで持ってくるのちょ〜〜う大変だったよぉ。すんごい重いし……」

真珠星「それで、大きいリュックで来たわけか」

萌香「うん。……ってか夏休みの宿題に『四字熟語を使って何か文を作りなさい』って問題あるじゃん。あたし何も思い浮かばなくて困ってるの」

真珠星が身も蓋もないことを言い出した。

真珠星「ってかさ、携帯で調べりゃ良かったじゃん。私、そうしたよ」

萌香は手に持っていた辞書を床にバサっと落とした。
真昼間にゲリラ豪雨が降り続く中、カフェの店内で雨が止むのを待っていた萌香達。
真珠星の一言で萌香の心の中でもゲリラ豪雨が降り出したのだった。

End

12/26/2024, 5:13:47 AM

お題『クリスマスの過ごし方』

 真珠星(すぴか)が小学4年の時にとても仲が良かった友達の春美〔ハル〕から自宅で開催するクリスマスパーティーに招待されて行った日。NZL(ニュージーランド)から来日してパーティーに参加している中の一人、ハルの友達である、ヒメコがNZLのクリスマスの過ごし方を真珠星に教えてくれた。

ヒメコ「NZ Lは日本と違って【夏】だからクリスマスの日は家族や友人達で浜辺でBBQをしたり、ハイキングやキャンプしたりするのよ」

ヒメコの日本語は流暢だった。日本生まれの彼女は小学2年生の夏休みの時父親の仕事の都合でNZLに引っ越ししたという。真珠星は自分と少し重なる部分があって親近感が湧いた。

真珠星「日本の夏休みみたい」

ヒメコ「そうだね。あ、あとね。面白いのがサンタクロースがサーフィンしてやってくるの!」

真珠星「何それ〜!?ソリじゃないんだ〜(笑)」

他にも色々と教えてくれた。日本と変わらない部分もあるらしい。それはクリスマスプレゼントにケーキがあることだった。

End

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