詩栞堂―シカンドウ―

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3/29/2024, 8:38:22 AM

わたしたちの神様は
くろい蛇の姿をしていて
くびにまとわりついては
嘲笑い、ときに囁くのだ
「お前の生になんの意味があるのか」と

たにんから見れば
それはきっと悪魔なのでしょう
それでも どうしようもなくそこにある
わたしたちの神様なのだ

希望を見捨てたわたしたちの神様


「深淵を覗く時、」


わたしたちの神様は
かたちのない黒の塊で
ただそこにあるだけで
憂鬱な気持ちにさせるのだ
「頑張る生になんの意味があるのか」と

たにんから見れば
それはきっと悪魔なのでしょう
だから 言ってあげたいのだ
良いも悪いもないのなら
「すべてがそれでいい」のだと

絶望を見捨てたわたしたちの神様



見つめられると(お題)

3/28/2024, 8:46:46 AM

モノクロの世界に色をつけていくその涙
口程に物を言うその瞳で
この鼓動の早鐘をきいて

空っぽだと思っていた器から溢れだす涙
拭っていくその指先で
眩い光で
この胸の早鐘を貫いて



My Heart(お題)

3/26/2024, 11:00:09 PM

往く途は深い霧で隠していて
その先も
せてめ小さな砂の城を作れるように

ないものねだりは分かっているから
日の光から私を隠して

神様が囁くから
出逢うべくには出逢うから
帰り路のないその途を往くまでは
「白馬の王子様」の夢を見させて



ないものねだり(お題)

3/25/2024, 10:57:10 PM

好きじゃないのに水をやる
土の詰まったこの鉢に
芽が出たらきっと
何かがかわるさと
土の詰まったこの鉢に
好きじゃないのに水をやる



好きじゃないのに(お題)

3/25/2024, 8:28:30 AM

あのこのまわりは いつも雨
長靴履いて 傘さして
蛙の合唱 連れてくる

あのこがゆけば 夏がくる
紫陽花たちが 涙を流し
ぼくの心は曇り空

あのこがゆけば 夏がくる
ところによりては 雨が降る
ぼくの涙も連れてって

あの夏の向こうへ



ところにより雨(お題)

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