詩栞堂―シカンドウ―

Open App
10/1/2024, 8:31:41 AM

そっと手を放した
分かれ道
いつでも向こうから呼ぶ声が聞こえる
いつでも向かうことができるから

別れを告げろ

望むままに手を伸ばして

別れ道
いつでも向かうことができる筈なのに
いつでも向こうから呼ぶ声が聞こえる



岐路(6/8お題)

9/28/2024, 5:56:13 PM

頭と尾を喰われた蜻蛉が
アスファルトを這い廻る
蒼褪めた天を金紗で覆い
時を告げる女怪の歌声が
山へと黒い影を呼び戻す

道に明かき灯は点れども
此れよりは帷の向こう側
君ももう帰れよと告げる
声に振り返ることなかれ

9/25/2024, 9:00:58 AM

遥か空の果て
遥か谷の底
続く道を舞う花弁
その瞳には何も映らず
その耳には何も届かず
蜘蛛の糸の細さも
踏みしだく禍言も
燃え尽きて尚黒い羽が指す道行
もゆる花咲く先
尚歩みを止めることなく
星を掻き分けて
何処へ向かうのか


天国と地獄(5/27お題)

9/19/2024, 8:48:59 AM

今でも心のどこかで
降り止まない雨の音が
行かなくちゃ 待っているのに
けれども忙しくただ日々は過ぎるばかり

今も迎えは来ないげど
忙しない日々にもう少しだけ眠らせていて



降り止まない雨(5/25お題)

(めっちゃゲームやりたい気持ちはある)

9/17/2024, 12:47:36 PM

首にまとわり呼吸を塞ぐ
黒き蛇こそ我が神なれば
善しも悪しもありはせず

アジ・ダハーカの美少年
影より来たりて嘲笑う

白痴の神の泡沫の夢
游ぐ胡蝶のただ見た夢
点々と脳裏に焼き付くインクの染み
垣間見た苦悩の筆跡

甘い言葉で呼ぶ声は希望の残響
すべてを神のせいにすれば
きっとすくわれると 手を組んで祈る

終焉が希望へ変わるその一線を
逆さまの視界から嗤い見ていろ



逃れられない (5/23お題)

Next