汚水 藻野

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3/17/2024, 1:33:03 PM

勝ちたくて練習する。
負けたくないから練習する。
勝てないなら練習しない。
負けたから練習しない。

悔しかったからと言って、
たったのこんくらいで、
負けたからと言って、
この先の道が途切れたとして、

「勝った時にしか、俺は泣かないって自信を
持って言いたい」
「お前は大抵泣かんやろ」
「泣いたら負けだと思ってる」
「人間辞めてるん?」

「…ま、そうかもね」
変人コンビも、こいつの双子の金髪も、ある意味人間を辞めた妖怪だろ。
……試合に勝っても、負けても、この"最後の年"は泣くかもしれない。
でもどうせなら、笑って終わりたい。

「"目指せ春高優勝"って、口で言えるほど簡単じゃないけどさ」
「?」
「…LINE背景ペア画しよ。レギュラーでさ。

"春高優勝"ってでっかく書いてる背景で」


「おお……」
ここまでこいつが勝ちにこだわってるんを見て思わずそう呟いた。
もともと、スマホを持つ現代っ子で、写真好きで、インスタとかもやっとる奴。やから、やっとることは、何もおかしいことはない。
やけど、勝つためにこいつなりの考えを示す事実があって、心の何処かで"嬉しい"と思う。

「…あいつら、LINEの背景変わったんやな」
「やったれやったれ笑」
「何をどうツッコめばええんや金髪め」
「勝って孫の代まで自慢させてや」

_2024.3.17.「泣かないよ」
HQ、おいなりさんのチベスナ。最後は先輩達。LINE背景を春高優勝で統一する事で「勝」を明確にし、それを提案するのがチベスナ、っていうのがいいなって。泣くような奴じゃないけど、笑うような奴でもないんだけどな。

3/16/2024, 11:28:45 PM

結局はみんな強がりだったんだ。

自分を強く見せようと必死で、足掻いて藻搔いて、不安定な足場のステージで踊る。

私はそんなのは御免だね。

私はちゃんとした足場のあるステージで踊りたいし、自由に歌いたい、時々休みも欲しい。

そんなステージを用意するには周りに理解してもらわなきゃ。"私"を理解してくれたら、どんどんステージでできることが広がる。
強がると自分のステージも自分で作れないし、用意しようとしてくれた人もいずれ消える。何もせず過ごすのは、少なくとも私は嫌。

怖がらないで。

一度私の手を取って。
私のステージで踊ってみない?

_2024.3.16.「怖がり」

一応pkmn。誰かのステージで踊るのは簡単ですよね。まんじゅうこわいみたい。
え?
今はハートの数がこわいですけど?
(ハート押してくれてありがとうございます)

3/15/2024, 11:09:48 AM

俺は「ただのエース」じゃなくて良かった。

しょぼくれた時の「スパイク練しますか」と聞いたときのあの瞳を、多分俺は忘れない。

しゃがんでいた彼が、「スパイク」という単語を聞いて、飛び上がるようにばっと顔を上げたときの、体育館の天井にある眩しいライトを全て吸い込んだような瞳。
眩しいライトさえ瞳に閉じ込めてしまっては、今ではあまりみなくなった天井サーブくらい、彼が眩しすぎて見えなかった。

そんな彼に、俺はトスを上げているのか。
そう思うと多少の優越感を感じ、それと同時に自分の烏滸がましさを感じる。
"高校ナンバーワンセッター"や、1年ながらユースにも選ばれている"王様"とやってみたい、とか思ってそうなのに、彼にしては珍しい頑固さで、それを聞いたときは全否定された。

「やっぱもっとみんなとやりたかったな」

なんなら俺たちとやるバレーが一番楽しいんだ!なんて表情で、でもどこか寂しそうで、彼の背中にあった「尽瘁」も「日射」も、手の届かない所へ、遠くへ行ってしまったみたいに。

この人には"そういう"ところがある。

俺たちに大きな「信頼」を預けておいて、俺たちが「期待」してしまったら助けてくれる。
それがどんなに時間がかかっても、難しくても、無理だと思ってしまっても。

「無理だ」と思うのは、「楽」を選ぶのは、確かに間違っていない。
でも俺は、この人に出会って、此処へ来て、「難しい」と思うことも「楽しい」と思うことも、逃げない一つの理由にできる事を知った。

そして、やっぱり彼には……。

スター
"星"が宿ってるんじゃないかって

ふと思う。

_2024.3.15.「星が溢れる」

「だからそういうわけで…早く終わらせてください、締め切り迫ってます」
「イイハナシダナーで終わるとこじゃないんだね!知ってる!!」

HQ。アカシとただのエース。

3/14/2024, 10:30:15 AM

本当はその瞳に


自分は映っていなかったのに

君はなんて単純なんだ

ちょっと ・・・
"気になる対象"を自分にずらしただけで

簡単にその瞳に焔を灯せるとは



楽しく無い

_2024.3.14.「安らかな瞳」

pkmn。sgr君について考えてる主人公。
楽しくなーい……。無い……。

なんと、私の友達に「33.5巻が欲しかった…!」と言ったら、「集合写真くれた代わりに、明日貸したるよ」って言ってくれましたヒャッハー!!うれしー!!

3/13/2024, 2:41:25 PM

「…………はい"いいいぃぃ!?!?」

ずっと、俺の隣にいてくれるて思うとった。
彼奴は俺とおんなじDNA持っとるし、俺がもう一人おるみたいで、俺が俺に追い付くための目印にしとった節もある。
そんな彼奴が。

「俺、飯屋やるわ。」

そんなことを言うもんやから、驚いてチベスナに、叫んだときの俺の変顔(やない!!)撮られてしもた。
「っちゅーか!飯屋!?急な告白やめーや!びっくりするやろがい!どうしたん急に!?」
「落ち着けよ」
「逆に知らんかったん?」
「知らん!聞いとらん!双子やのに!!」

「結構前から決めとった。最近は現実的や。
ただお前には、一番知らせたくなかった。

やってお前、この先"世界"にいくやろうし、なんやかんや俺がおらんようになったら、寂しいんちゃうか思て」
「だァれが寂しなるって!?」
「なっとったやろ。小学校ん時俺インフルなって寝込んどったときのこと、知っとんで!?
『サム早う治れやあ泣泣』って泣いとったってオカンから聞いてんねん!」
「え、治の名前ってそういうこと…」
「違うわチベスナ!」
この会話も、いつか聞けなくなるし、"青春"も"学生"も終る。

バレーだけは。治だけは。

ずっと隣で、お互いを高め合う唯一無二のライバルやと思うとったのに。

でも " それ " で終わってしまっとったら、昨日と一緒や。"昨日"なんかいらんねん。大事なんは、"今日何をするか"。
あの横断幕を思い出しながら、動揺する。
「ほな…

今年の春高は優勝せなあかんな」

「優勝はどっちでもいいよ。でもどうせなら、あの烏の羽は捥ぎたいね」
「言い方怖いねんチベスナ」
「せやでチベスナ」
「ねえチベスナってやめてくんない?」

「フッフ…ま、春高で優勝でもしたら、お腹いっぱいやから死んでまうわ笑」
「…!俺はずっと食っとりたかったんやけどな!!なんか高校生終わったら一緒に食ってくれる奴が一人減るみたいやけどな!!」

今日は寂しさを紛らわせるために、一人残って自主練を続けた。

本当は寂しくない、なんてないことはない。

_2024.3.13.「ずっと隣で」

HQ。おいなりさん。
三年引退後の二年生の話。

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