「…………はい"いいいぃぃ!?!?」
ずっと、俺の隣にいてくれるて思うとった。
彼奴は俺とおんなじDNA持っとるし、俺がもう一人おるみたいで、俺が俺に追い付くための目印にしとった節もある。
そんな彼奴が。
「俺、飯屋やるわ。」
そんなことを言うもんやから、驚いてチベスナに、叫んだときの俺の変顔(やない!!)撮られてしもた。
「っちゅーか!飯屋!?急な告白やめーや!びっくりするやろがい!どうしたん急に!?」
「落ち着けよ」
「逆に知らんかったん?」
「知らん!聞いとらん!双子やのに!!」
「結構前から決めとった。最近は現実的や。
ただお前には、一番知らせたくなかった。
やってお前、この先"世界"にいくやろうし、なんやかんや俺がおらんようになったら、寂しいんちゃうか思て」
「だァれが寂しなるって!?」
「なっとったやろ。小学校ん時俺インフルなって寝込んどったときのこと、知っとんで!?
『サム早う治れやあ泣泣』って泣いとったってオカンから聞いてんねん!」
「え、治の名前ってそういうこと…」
「違うわチベスナ!」
この会話も、いつか聞けなくなるし、"青春"も"学生"も終る。
バレーだけは。治だけは。
ずっと隣で、お互いを高め合う唯一無二のライバルやと思うとったのに。
でも " それ " で終わってしまっとったら、昨日と一緒や。"昨日"なんかいらんねん。大事なんは、"今日何をするか"。
あの横断幕を思い出しながら、動揺する。
「ほな…
今年の春高は優勝せなあかんな」
「優勝はどっちでもいいよ。でもどうせなら、あの烏の羽は捥ぎたいね」
「言い方怖いねんチベスナ」
「せやでチベスナ」
「ねえチベスナってやめてくんない?」
「フッフ…ま、春高で優勝でもしたら、お腹いっぱいやから死んでまうわ笑」
「…!俺はずっと食っとりたかったんやけどな!!なんか高校生終わったら一緒に食ってくれる奴が一人減るみたいやけどな!!」
今日は寂しさを紛らわせるために、一人残って自主練を続けた。
本当は寂しくない、なんてないことはない。
_2024.3.13.「ずっと隣で」
HQ。おいなりさん。
三年引退後の二年生の話。
3/13/2024, 2:41:25 PM