汚水 藻野

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11/25/2023, 2:51:05 PM

ああ、殺してしまいたい。

きみのその無邪気な笑顔。
きみのその頼れる仲間たち。
きみのそのおれを見つめる目。

きみのその太陽のようなぎらぎらした瞳。

密かに感じていたきみの強さは、おれを本気にさせた。こんなクソったれな感情、簡単にきみに向けられるさ。
だから殺そうと思う。

今まで、きみとの勝負で散々負けて負けて負けてきた。
「すごかったよ!」
「強くなってない?」
「楽しいね!!」
おれに火を付けさせた言葉たち。

全部が憎い。大嫌い。愛しい。大好き。

きみみたいな太陽はおれを照らしてくれた。
"太陽"の下には"月"があった。

「おれは…"太陽"になりたがったんだけどな…」
一人で失笑する。
光の差し込まない瞳を静かに閉じた。


次開ける時、目の前にきみがいて、照らせるように。

_2023.11.25「太陽の下で」

「きみ」が照らす
「おれ」が照らす

だれが照らす?

「次開ける時はきみと勝負する時だろうな」

pk。きみに嫌われたら死ぬかもね。

11/24/2023, 10:42:35 AM

「もうこの季節になっちまったか」
「なっちまったなぁ」
「お前さ、気になってたんだけどこの季節になると寒いとか思うのか?」
「そりゃ思うよ?動かないから寒くない、かたいから寒くない、じゃないんだよ」
「へー、そんなもんか」
「しぶとく生きないとダメだからな」

「そういえば、セーターとかっていつぐらいに着る?」
「あ?俺は…まあ、寒くなったら?12月くらい?」
「寒いけどな、今も。でも俺セーター着れなくない?」
「たしかに。」


アイリ『なんか"ウサギとカメ"の続編が今日公開されたんだけど』
サツキ『マジかよ続くのかよ続いちゃったのかよ』
ミナミ『てかこれ書いたお前の友達なんなん』

_2023.11.24「セーター」

記念すべき第1話は10月22日「衣替え」にて公開されています。みたよ、って方はぜひハートを押してもらえると嬉しいです。

11/23/2023, 11:29:08 AM

ああ、自分はこんなところでまた。

やだなあ、今まで散々…やってきたことなのに…。

自分の力が存分に発揮できていない。
完全に流されている。

目を瞑ってしまいたい。

目を瞑って仕舞えば、今までのことを全部忘れて、一からやり直せるはずなのに。

だめだ、ネガティブに考えても、それこそ流れを作ってしまう理由だ。
考えるな。目の前が闇に染まる自分に出来ること。

一つしかないでしょ。

「……ふっ…、!」

最後の試合くらい、暴れさせろよ。

このボールに、
「トンっ」
この努力に、
「…ッつなげて!」
この仲間たちに、……
「!分かった!!」

結果的にボールが25回落ちて敗北した。

でも。

ボールを、
「タンっ」
努力を、
「悔しいなぁ…!」
仲間たちを、
「でもさ、めっちゃ頑張ったよね」

信じた自分で、よかった。

_2023.11.23「落ちていく」

言っちゃなんだがバレーボールってマイナーなイメージあるのなんで?
バスケと並ぶスポーツと言っても良くないか?なんでこんなオモロいスポーツが広まってないんだ?と思った私が書きました。

バレーボールとは、球技の中でボールに触ってはいけない、落としてはいけない、というルールの競技です。今回の「落ちていく」に似合いそうでしたので。

11/22/2023, 10:12:59 AM

価値感が合う
性格が好き
幸せにしたいと思った

_どんな理由で結婚したって、人生で一番のパートナーを見つけたことに変わり無し_。

「今日、籍を入れよう」
きみの唐突なプロポーズ。こんがらがった頭で思考を巡らせた結果、わたしはこう叫んだ。

「お席にどうぞ!!!!」

なぜこのような発言をしたのか、それは後で考えるとして、セキ?席か。咳だな?ん?彼は今なんと言った?

「お好きにどうぞ!?」
彼は言う。そんな聞き間違いで席をご自由に案内されたら、たまったもんじゃないだろうな。周りのギャラリーが集ってきて、少し羞恥心を感じながら、わたしは続けた。

「幸せなら手をつなごう!!!!」

「幸せなら態度で示そうよ!?」




「ほら印鑑持ってここにぽんっ!!!!」



_2023.11.22「夫婦」

11/21/2023, 1:34:36 PM

「もう、終わりにしよう」
_そんな一言で始まった星々の光たち。

「終わらねーし終わらせねーよ」
「作ったのは君と僕達だろ」
「何故解散する?」
「僕らの居場所はここだよ」
「わたしは辞めたくない」

「お願い」

終わりにしろ、とは命令しない。みんなで話し合って決めたことだから。

「もう、おわりにしたいの」
「ちょっとどころじゃない、やり過ぎたんだよ、あれは。」

そう、あの時のことを思い返せば、ろくなことをしていない。自分たちの居場所を自分たちで作って暴れた"だけ"だ。
その結果自分たちの大切な、大切な居場所を周りに否定され、恐れられた。

それならもう、いっそのこと。

でもみんなはそう思っちゃいなかった。
「まだまだこれからでしょ」
全部壊して、
「そんな冗談なんか言うなよ」
ぐちゃぐちゃにして、
「やっと己の居場所を見つけたのに?」
己の心も、
「そうだよ、まだ辞める時じゃないよ」
一からやり直そうよ、
「みんな頑張っていこうとしてるよ」
わたしは、うちは、

「ぜんぶ失いたくない。」
「でもぜんぶ失ったほうがいい。」

「分かってる…。」

手も足も凍ったように動かないんだ。
「だからあなたが、」
心の中の空っぽな空洞にささやかな愛情が欲しかった。

「あの星たちを掴んでやってよ、ね?」

「(願わくば彼らがまた、笑顔でこの学園に通うようになりますように。)」

そして、自分を赦してくれるあなたに、苛立ちと感謝を。

_2023.11.21「どうすればいいの?」

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