その国に有名なアーティストがいた。
"哀愁さん"と呼んだのは、地元でエールを送るいたずらっ子な組織からだったな。
彼の音楽は最高でね。ロックなのにロマンチック。それはそれはかっこよかったよ。
唆るんだよ。
彼の音は彼自身を表している。私は新曲が出る度に胸を躍らせた。
…ん?聞いてみたいって?
それなら、このボタンを押してみて……。
_2023.11.4「哀愁をそそる」
言葉の意味が"哀愁"と"そそる"に分けられて自動変換されたのでよく分からなかった。
哀愁といえば…という思いつきで書きました。pk。
おれは弱い。
今回の一連の事件ではっきりと証明された。
地元の神話を信じたことが始まりだった。その神話の神を自分は尊び、そして憧れた。
でも最近来た余所者にあたる人間が、その神と仲良くなって、最終的に神を従えた。
嫉妬した。焦った。憤怒した。
理不尽な理由なのに余所者にやつ当たった。
そんなことをしたおれ自身に腹が立った。
心の闇がどんどんおれをやさしく包んでいくような感覚に少しの嫌悪を抱いたのに、抵抗しようとしない。できなかった。
おれは弱い。
言えなかった。
行動できなかった。
コントロールできなかった。
あの余所者には、笑顔と愛想を振りまいて。
「ねぇ、アオ!」
_2023.11.3「鏡の中の自分」
「おやすみ。」
わたしの隣でふにゃりと笑う貴方に嬉しさが溢れそうだった。
頭も撫でてくれたし、これほど嬉しいことはない、そう思った。
なのにね。
「早く逃げろ」
わたしを安心させるためか、あのときみたいにふにゃっと笑った貴方を、わたしは見ていた。
余裕そうだけど、余裕じゃない。今すぐここから逃げないと。
貴方と一緒に__。
「………!」
分かってる。
わたしはあの人とは違う。存在を恐れられていたわたしは誰とも関われなかった。
関わってくれたのは貴方が初めてだった。
頭を撫でてくれたのも。
一緒に笑ったのも。
わたしを笑わせてくれたことも。
あの人のことはもう遠い過去になってしまった。
わたしはそれを絶対に忘れないように、今日も。
でも、やっぱりね。
貴方が居ないから、独りで眠りにつくのは寂しいね。
返事をしてくれる人も、いないみたいだ。
_2023.11.2「眠りにつく前に」
大男と人ではない彼女は救われたか。
「トワちゃん、トワちゃん!」
「はいなあに?」
わたしの名前はトワと言う。トワは永遠と書いてトワだ。わたしはこの名前の響きが好きだから、気に入っている。両親に感謝だ。
トワちゃん、と呼んだのはわたしの友達だ。
「トワちゃんは永遠ってなんだと思う?」
なぜなぜ期のような可愛らしい様子で問いかけてくる友達に、わたしは目を細めて笑いながら言った。
「んー…
こうやってあなたと話してること
かな。誰かの記憶に少しでも残っていたら、
それは永遠に繋がっていくんだと思うよ。」
「トワちゃんらしいねっ。
わたしも死ぬまで"仲のいい友達"って言って後世に残していこうかな。」
「ふふ、ありがと。」
「…あ、ちなみに見てくれてるキミは、"永遠"ってなんだと思う?」
_2023.11.1「永遠に」
「黒猫が怪しげに見つめて来て
"にゃあ〜お"
骨しかない犬に吠えられて
"グルゥア…!!"
典型的なゾンビに追いかけられて
"ぎゃー!!"
妖艶な魔女に騙されて
"うふふっ"
同じ人間の仲間が現れて
"おーすげぇ偶然"
仲間に頭をピアノで殴られて
"割れねえ…"
その仲間は死んで
"………"
世界は真っ暗な闇世
"………………"
今日みたいな日には一度行ってみたい
"さあ、キミも"
そう思わない?」
「trick or treat!お菓子くれなきゃ…?
…どうなるのか、キミなら分かってるよね」
_2023.10.31「理想郷」
ハッピーハロウィン!!>( ༎ຶŎ༎ຶ )
お菓子取られたなら千倍返しで奪いな!!