あのとき君が独りだったこと
あのとき君が世界で一番大切な宝物をなくしたこと
あのとき君が小さな自分の敵に立ち向かったこと
独りなら私が隣に立つよ
なくしたなら私が一緒に探すよ
頑張ったなら一休みしなきゃね
あのとき君が思った強さ
あのとき君が隠した真実
ほんとうの強さを私と考えよう
ほんとうのことはなかったことにしないで
全部全部
今隣に、すぐ近くにある
手を伸ばせば届く距離
ほら
私はずっと待ってるから
つかんじゃえ!
_2023.10.30「懐かしく思うこと」
とあるゲームの話。
主人公が友達や家族、先生などに助けられながら、世界を救う物語。
友達は元気いっぱいに私のことを助けてくれたし
家族は私の背中を押すような言葉をかけ
先生は世界と私たちに想いを託した。
誰も私を止めてはいなかったし
止めてくれる人もいなかった。
結果的に全てが大団円で終え、みんながハッピー。そうなるはずだと思っていた。
でも、その裏では
友達は無理して空元気に笑顔を振り舞いて
家族は前を前をと行く私を心配し
先生はそれぞれが出来ることが限られていることを悔やんだ。
そっか。
みんな何もせず
想いだけを私に託して
結局みんな嫌だったんじゃん。
なんで誰も言ってくれなかったの
なんで誰も止めなかったの
こうなってしまうんだったら
「英雄」なんて枷、いらないよ。
_2023.10.29「もう一つの物語」
英雄になったことを良いと捉えるか
英雄になったことを悪と捉えるか
目の前の彼女が震える。僕は同じように震える体に力を込めながら、抱きしめる。
こわい、と掠れた声で言う。僕はそんな彼女を大丈夫だと宥めた。
しかし困った。外は豪雨にかみなり。
昔誰かに教わった。かみなりとは、雷という意味もあるが、神鳴という意味もある、と。
本当に神が御怒りなのであれば、……どうしようか。
しかし、大人たちは助けてくれない。心配に思うより、どこか微笑ましく思っているようだ。
「しょうちゃん、こうきくんに守ってもらってるねぇ」
「やだー、こうきくん男前っ」
ちなみに今日は遊びに来ていた。
_2023.10.28「暗がりの中で」
おくちがたっしゃなしょうねんだいにごう。
しょうちゃんこうきくんは名前に迷った結果です。
フラワリーな香り。
草いきれな雰囲気。
マステカルな味わい。
追憶するダージリン。
純愛するラブリー。
異名のシャンパン。
「今日までも頑張った私偉すぎだろ」
それらスパイスになったものを楽しみながら、私はゆっくりと夢を見る準備をした。
「……んだあ、うめえ」
今日が金曜日の夜で良かった。
日曜日だったら、私はストロングだった。
_2023.10.27「紅茶の香り」
セリフはクソなんだがそれ以外なんかオシャレ。なんかおもろそうだなと思ったのでやってみました。
ちなみに紅茶好きな人は分かるらしい。
その手に持ってる物で調べてみてください。
「いつまでも君を想うよ。」
君はそう言って儚げな表情を見せた。
この不思議な感情は何だ?
だから僕はこう返す。
「僕もだよ。」
「僕もだよ。」
君はそう言ってちょっと困ったように笑う。
この愛という感情。
だから私はこう言う。
「いつまでも君を想うよ。」
_2023.10.27「愛言葉」
少しのすれ違いが起きているカップルの想い。
「僕」は愛を連想させる言葉が出てこない。
「私」は愛を連想させる言葉が出ている。