おれは弱い。
今回の一連の事件ではっきりと証明された。
地元の神話を信じたことが始まりだった。その神話の神を自分は尊び、そして憧れた。
でも最近来た余所者にあたる人間が、その神と仲良くなって、最終的に神を従えた。
嫉妬した。焦った。憤怒した。
理不尽な理由なのに余所者にやつ当たった。
そんなことをしたおれ自身に腹が立った。
心の闇がどんどんおれをやさしく包んでいくような感覚に少しの嫌悪を抱いたのに、抵抗しようとしない。できなかった。
おれは弱い。
言えなかった。
行動できなかった。
コントロールできなかった。
あの余所者には、笑顔と愛想を振りまいて。
「ねぇ、アオ!」
_2023.11.3「鏡の中の自分」
11/4/2023, 12:19:03 AM