あなたのことをわたしはうっとりと眺めた。
あなたを、大事に、大事にしたい。
あなたのその色は虹色。
あなたは光り輝く太陽。
あなたは私の大事なもの。
あなたの心臓を。
_2023.9.20「大事にしたい」
私のせいで彼がこんなことになるなんて。
言う通り、私が彼に触れていなければ、起こっていないことだった。
全部、私のせいだ。
そう考えると冷や汗が止まらなくなった。
手が震えた。
時間なんか止まってしまえ!
そう心に叫んだ途端。
「ふー…なんとかセーフ…元の位置に戻さないと」
時間が進んだ。
「…あれ?僕のメガネ、落ちてなかった…?」
「何言ってんですか先輩、ちゃんとここにあるじゃないですか。見間違いでしょう」
「えー…そうかなあ」
_2023.9.19「時間よ止まれ」
夜景の綺麗なレストラン。
彼からの誘い。
きっちり着込んだスーツ。
もしかして、と思いバッチリ気合を入れておしゃれしてきた。
食べものは絶品で、全部美味しかった。
彼との会話も楽しくて、時間を忘れた。
「それで、本題なんだけど」
「うん。なに?」
「僕と別れて欲しい」
「……………え…?」
嘘だよね、嘘だと言ってよ。そう思う心が爆速で鼓動を打ち、手が震える。
「僕は今の自分が満足できない。
……ガリガリの僕のこの体がね!!」
「はっ!?!?」
「だからスポーツジムに行こうと思うんだ!そのせいで連絡無視するかもしれないしデートの約束を守れないかもしれない、それが申し訳ないから…
僕と別れて欲しい。」
「…ふふっ、あっははは!あなたって本当に、面白い人ね。
"それが申し訳ない"、ってことはそのくらいの愛はあるんでしょ?別に、連絡無視してもデートの約束守れなくてもいいわ。
私は愛してくれる愛する人と生きたいの!」
_2023.9.18「夜景」
花畑だというのに、花がない。
生い茂る緑だけが見えるこの世界。
私は何を思うたか。
…きっと私は、まだ死ぬべきではないのであろう。
君ねぇ…。これはひどいよ。
君がいないのであれば私は、どうしたらいいのだ。
そう思うた男は、その緑から引き返した。
今日も曇りだ。きっと空は泣いている。
「空が泣くって言ったら、雨じゃないの?」
「確かにそれもあるよ。でも空には雨じゃない涙もあると思う。人間も一緒でしょ?」
「ぼくはね。空は涙を隠してるんだと思う。空にも何かしらの悩みがあって、苦しみもあって、辛さもあると思う。」
「でもみんなを太陽で照らさないといけない。晴れが良いんだ。…それで泣くのを我慢してるんじゃないかな、って」
_2023.9.16「空が泣く」