7/3/2022, 4:23:51 PM
なんの収穫もなく今日を終え
日暮れの帰途を急ぐ足に
アスファルトの熱が絡みつく
ひとり田舎道を歩く足どりは
それでも重くはない
いつもと同じこの道
身の回りの草花や虫たちの
ひっそりと 力強く
それぞれに生を営む姿が
わたしには心強くてならないのだ
道の向こうに家が見えた
見慣れた古い一軒家
窓辺に黒い影がある
ただいま 今帰ったよ
すぐにご飯だよ
おまえはただひとつ
にゃおんと鳴いた
#この道の向こうに
7/2/2022, 2:09:03 PM
心が沈んでいるときは
なにを見ても そっぽを向いて
反抗的にさえなって
いたずらに傷つけ合って
窓から射す光すら うとましく
闇に引きこもろうとする
孤立することは
なんらかっこいいことはなく
特別な自分はどこにもおらず
むしろ自己の尊厳は傷つき
身勝手な自己愛ばかりが育つ
光を見よ
この小さな窓から射し込む
聖らかな陽の光を見よ
それを心いっぱいに満たして
闇をしりぞけよ
孤独に耐えよ
そうすれば 真実
自分を愛し 人を愛せる日が
やってくるかもしれない
#日差し
7/1/2022, 11:03:45 AM
ぴいぴいと
鳴く声は
あの声は
ひよの奴だ
先ほどまで
すずめが数羽
楽しげに
喋ってたのに
追い払ったんだ
ひよの奴
窓の外
椿の花粉に
黄色い口した
ひよどりの
おどけた顔が
こっちを見てる
#窓越しに見えるのは
7/1/2022, 2:58:53 AM
赤い糸の切れ端を捨てずにおく未練がましさ
#赤い糸
#自由律俳句
6/30/2022, 2:46:27 AM
おんなでも おとこでも
なかった
遠い遠い夏の日
笑っていた わたしは
何者でもないということを
楽しんでいた
白く輝く入道雲は
うれしさに ふくらんで
嘘偽りのない日々に
いつも明るく光っていた
あの日々には
まだみんながいた
いつの日か
思い出がこの先の
わたしを支えてゆくことを
子どものわたしは知らない
#入道雲