夢見る心
嫌われたくない。
友達からも、家族からも、知らない人からも。
そんな私が昔から嫌い。
友達に表情や会話を合わせる自分。
家族の期待に完璧に答える自分。
スーパーの店員さんにも、電車の中で会った知らない人にも、必要以上に気を遣う自分。
そんな自分が嫌い。
自分に嫌われるのは許せる自分も嫌い。
それでも、嫌われたくない。全員から好かれたいという気持ちは離れなかった。
でも、高校生時代に出会った
保健室の先生のおかげで変わった。
保健室の先生はこう言ってくれた。
「あなたは優しすぎる、もっと良い意味で自己中になりなさい」。
嬉しかったと同時にびっくりした。
「君は優しいね」。
「〇〇ちゃん、ほんとに優しくて好き」。
「〇〇ちゃんの長所は優しいところだよ」。
私の心は「優しい」という言葉に支配されてたんだ。
私の心は、叶うはずのない夢をずっと必死に叶えようとしていたんだ。そのことに、早く気づいていればと後悔した。これからは、私のために生きよう。私は先生の言っていた「良い意味の自己中」の本当の意味を理解できたから、道を外さずに進むことができた。
私の心を満たしたあとに余裕があったら他人を満たせばいい。
この考えになれたのは、保健室の先生のおかげだ。
感謝しかない。
私の心も、抱えきれない夢は諦め、今の自分を良くする夢を叶えてくれるはずだ。
夢は無限大。でも、夢はときに重りになる。プレッシャーにもなる。持てそうな夢を持てばいい。ほんとうにしてみたい、したいと思う夢を持てばいい。
「神様へ」
愛をください
心をください
笑顔をください
居場所をください
「誰よりも、ずっと」
私は貴方に、深く愛されました。
食事をもらい、可愛い洋服を買ってもらい、必要な教養を身につけさせてくれました。
小学1年生の頃、風邪をひくと、病院に抱っこをして連れてってくれました。
あのときの貴方の温もりが忘れられません。
私が、悪い点数をとったときや、わがままを言ったときは
きちんと叱ってくれました。
叱ってくれたあとは、「ごめんね、ごめんね、痛かったよね」と優しい言葉を囁いてくれます。
そして、私の体にできた、青紫の模様を見ながら「この色はね、私があなたを愛してきた証拠なの」と、優しく、温かい声で教えてくれました。
ほんとうに、貴方の子で良かったと思いました。
私は誰よりも、ずっと、愛されてきたのだと思います。
こんなに、幸せなことはありません。
貴方は最高の△です。
でも、周りは貴方のことを「最低な△」と言います。
そして、私と貴方を離れ離れにさせました。
早くそこから出てきてください。
私は貴方を守ります。
・・・・
だから、私をまた、愛してください。
義務は守ってくださいね。
「これからも、ずっと」
あなたが生きている限り、私はあなたを愛します。
食事をあげます。洋服を与えます。教育をさせます。
風邪をひいたら病院に連れて行きます。
あなたが悪いことをすればきちんと叱ります。
なぜかって?
私の義務だからです。世間体を守るためでもあります。
だから、これからもずっと、安心して生きてください。
「この場所で」
貴方と出会ったのも、貴方と別れたのも、
この、シオンの花が咲いた、時計台の下。
民衆の貴方。城に住む私。
私がよくても、周りは許してくれなかった。
平等な国から、王に支配されるようになったこの国。
時代の壁を破ることは、私にはできなかった。
これ以上、関係を続ければ、貴方の命が危ない。
私たちは、時計台の下で別れを交わした。
いつか、貴方と絶対に会う。
年をとってしわくちゃになっても、
この国が無くなっても、
私たちの愛は変わらない。私たちの愛は無くならない。