ただひとりの君へ
お元気ですか?僕は元気です。
専門学校でリハビリについて、患者様との接し方について猛勉強し、無事に国家資格を取得することができました。
「作業療法士」として、精神科で今年から働きます。
夢が叶いました。
僕と同じように精神疾患で苦しんでいる人たちを救いたいです。
ここまで辿り着くのに色々なことがありました。
中学生の頃、親の喧嘩や学校でのいじめにより強迫性障害という精神疾患を患いました。あんなに苦しい出来事は、あとにも先にもこの時だと思います。
苦しくて、この世から去ろうとしたときも結局失敗しました。詰めが甘かったのでしょう。
まあ詰めが甘かったから今があるのでしょうけど。
不登校にもなりました。
罪悪感が半端なかったです。
でも、意外と勉強が出来てて自分でもおどろきです。
(数学と英語はまじやばですが)
親の喧嘩がヒートアップし、警察沙汰に2回もなりました。
2回目は専門学校の受験前。警察官からの事情聴取が面接での受け答え練習の応用のようにも感じました。
こんなことばかり続くと
僕の人生の意味は何なのだろうと本気で思います。
神様はなぜ僕を創造したのかと、間違えたのではないかと、
それでも、死は怖いから、死から逃げ続けました。
でも、大丈夫です。
逃げている途中に色々な出会いがありました。
僕は、腹心の友と出会いました。
読書や手話という趣味にも出会いました。
(ココだけの話、手話通訳者も目指しています。)
人生の意味は見つけられませんでしたが、生きていてもいいんだとは思えるようになりました。
だから、今はこの状態を保ちたいと思うし、この状態でいいんだと思っています。
最後に、、君に言いたいことがあります。
色んなことから逃げ続けてください
嫌いな学校から
居場所のない家から
自分の存在意義から
逃げ続けたから今の僕がいるんです。
逃げることだって体力を使います。
逃げることだって生きるための力なんです。
立ち向かっていたら、完全に僕は壊れていたと思います。
修復は不可能だったでしょう。
逃げは、恥ではない。
動物は、外敵から逃げて進化を遂げてきました。
人間にもきっと当てはまることなんです。
だから、あともう少しの辛抱です。
これから上記で綴ったようなことが待ち受けています。
辛くて辛くて我慢ならない試練が、
でも大丈夫です。
逃げてください。
もう逃げまくっちゃってください。
僕が言うんだから大丈夫です。
この判断は間違っていない。
信じてください。
君は絶対に、幸せになります。
人生は苦の方が多いです。
死ぬまで苦労し、悩むことがあると思いますが、
逃げる術を知ることになる君には、余裕で乗り越えられると思います。
長文になり申し訳ありません。
また、10年後に会いましょう。
10年後のただひとりの君へ
真面目で繊細な君が救われますように
「阪神淡路大震災」
祖母は九州に住んでいる。
阪神淡路大震災の日、
祖母は家の寝室で寝ており、襖がミシミシといい、ほんの少し揺れたそうだ。
関西で起きた地震の揺れが九州にまで伝わるとは恐ろしい。地震が起きた際に生き残れるように備えをしたい。
幸せは誰かが与えてくれるのではない。
自分が幸せと思うか思わないか、自分次第。
風邪
お母さんはいつも弟を一番に大切にし、可愛がる。
お母さんもお父さんも男の子が欲しかった。
でも最初に生まれたのは女である私だ。
それなりに育てられ、可愛がられた。
弟が生まれるまでは、
私が生まれた5年後に弟が生まれた。
お母さんの瞳に私は映っていない。
私以上に可愛がられている弟を見るのはつらい。
小さいながらに傷つく。
私はお母さんが大好きなのに。
家事を手伝っても、小学生になって、100点をとっても。
お母さんの瞳に映るのは弟だけだ。
どうしたら私を見てくれるの?
私だけを見てくれるの?
ある日、そんな夢を叶えることができた。
私は風邪を引いて、お母さんはずっと看病をしてくれた。
風邪で?と思うかもしれない。
私は風邪をこじらせたのだ。
咳が止まらなくなり、高熱が続いた。
お母さんは私だけのものになった。
弟はおばあちゃんの家に預けられた。
お父さんは、私にバニラアイスと青リンゴのゼリーを買ってきてくれた。私だけのために。
弟が生まれたあとに、こんなに幸せを感じることがあっただろうか。独占できている、高揚感。愛情を感じる。お母さんは心配そうな顔をしている。お母さんの瞳に映っているのは私だ。私だけしか映っていない。
あぁ、幸せだ。
一週間も経つと、だんだん回復してきた。だめだ。こんなのだめだ。私は、お風呂で冷たいシャワーを浴び、薄着の格好をしてベランダに出た。咳がまたひどくなってきた。胸のあたりがジンジンする。
痛い。でもお母さんのあの顔を思い出すとこんな痛み耐えられる。絶対に私だけのものにしてみせる。
夢と現実
夜空に星が満ちている。
昔に比べると少なくなってしまったが、周辺に建物の少ない僕の家からはまだたくさん見ることができる。
部屋の窓からは冷たい風が入ってくる。
冬の風は心にしみる。泣きたくなる。
虚無感を感じてしまう。
そしてさみしい心を紛らわせるために叶わない夢を頭の中で描いてしまう。
お母さんとご飯を食べる僕
お母さんが僕に向かって「美味しいね」と言ってくれ、「うん!」と答えている僕
お母さんに頭を撫でられている僕
色々と頭の中で描いているとそれが現実になったのではないかと錯覚し一瞬だけ嬉しい気持ちになる。
でも現実は現実のままだ。
絶望しか待ち受けていない。
今日は帰ってくるかな。
新しい男の人を連れてくるのかな。
ベッドのシーツにいつの間にかしがみつき、目が熱くなってきた。
「1日だけでもお母さんを独り占めできますように」
そう願いながら目を瞑った。