サチョッチ

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8/14/2023, 10:50:22 AM

自転車に乗って、馴染みの坂道を下る。
照り付ける日の下を駆け抜けて、枝葉が織りなす陰の下をを潜っていく。
一本道のほか何もない、自分だけの緑のトンネル。
殺風景な一幕ばかりの日々に追い打ちをかける、鬱陶しい夏の日差し。
何も考えず、ただただ本能的に感謝できるのは、誰の関心にも止まらない、裏道の街路樹の陰だけだ。

8/12/2023, 1:17:55 PM

君の奏でる音楽は
誰よりも私を理解して
どんな言葉より正直

何も知らない風を君は装うけれど
君が聞かせる曲はいつでも
私のためにあるように思えてならない

その日その日の私の心の有り様に応じて
一番自然に聞き入れられる曲を選ぶんだから

8/10/2023, 11:35:25 AM

終点を渇望する車輪は、思い込みの自己に抱えきれない重荷を引き摺って、歪み、崩れながら走る。

8/9/2023, 11:21:56 AM

「上手くいかなくたっていい」
そんなふうに本気で言える瞬間なんざ、この先にもいくつあるか分からない。

最初はそう息巻いて好奇心と興味と期待に胸を躍らせて挑むけれど、結局途中で隔たりにぶち当たって後悔するのがオチなんだ。

8/8/2023, 11:30:18 AM

彼女は蜘蛛になってしまった。
身分の高い清楚な美人として生まれ、品も教養も兼ね備えた高嶺の花だった彼女は、密かに恋い焦がれた一人の身分違いの男のために底知れぬ独占欲と嫉妬心を募らせ、それを他人に悟られぬよう必死に押し殺していた結果、蝶よ花よと愛でられていた頃とは似ても似つかぬ執念の化身になってしまった。
揺るがぬ想い、許せぬ自身を認められない彼女の鬱屈が、自身をがんじがらめにして離さない。
心の隅に思い描いた花畑は、いつしか醜い虫の楽園になっていた。

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