4/8/2023, 3:59:40 PM
二人だけの部屋の隅で、あの人が私を抱き締める。
小さな窓から差し込む夕日が、部屋の中を薄暗く照らす。
「これからも、ずっと――
――ずっと、僕の特別な人でいてくれますか?」
温かな吐息とともに、柔らかな声が首筋に触れた。
いつも私の知らないところで、指先まで紅く濡らしている手は
私に触れるときだけ、雪を掴むように優しい。
4/7/2023, 12:25:24 PM
沈む夕日が嫌いである。
何も成すことなく過ごしてしまったことに罪悪感を起こさせるからだ。考えなくてもいいはずのことを考えさせ、嫌な妄想を想起させる。自然と哀しくなってくる。
おまけにオレンジ色が嫌いなのだ。
4/6/2023, 10:56:09 AM
君の目を見つめると
どこまでも意識が吸い込まれていくようで
赤黒い世界に突き落とされるようで
だけどこっちよりは温かそうで
君の本来の優しさが滲み出ているようで
不思議と 心が軽くなる
眼球のない 2つの空洞の向こう側に
本来の君が見えるようで
4/5/2023, 2:17:29 PM
エメラルドグリーンの水の上を
小さな雲に乗って浮いている
ネグリジェ姿で女は待つ
四角く切り抜かれた空間の
華やかにもどこか寂しげな部屋
見上げればいつも空は夜色
女は訪ね人を待ちながら
足元のうねりを眺めている
星空の下で一夜を共にする相手を
心待ちにしながら
4/4/2023, 10:56:13 AM
嫌いな自分ばかりが悪目立ちする
良い部分が出てきても
運が良かっただけだから
建前でしかないから
役に立たないから
そう思うばかりで信用できない
それでいいと思える自分が
私の近くにはいない