二人だけの部屋の隅で、あの人が私を抱き締める。小さな窓から差し込む夕日が、部屋の中を薄暗く照らす。「これからも、ずっと――――ずっと、僕の特別な人でいてくれますか?」温かな吐息とともに、柔らかな声が首筋に触れた。いつも私の知らないところで、指先まで紅く濡らしている手は私に触れるときだけ、雪を掴むように優しい。
4/8/2023, 3:59:40 PM