インディウム

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4/6/2023, 3:32:25 PM

夜に泳ぐ白いくじらが
流星を一粒飲み込んだ

春霞に沈んだ灯籠の海の
その底から生えたビルの中で

潮の流れを聴いている。

時おり赤いテールランプと
エンジン音が染み出した
三十二階、
夜空一杯分のカクテル

そんな気分になった、
君の目を見つめると。

4/5/2023, 2:32:00 PM

薄暗い部屋で起き出す
たまらずくしゃみが一つ
外の世界はもう春らしい
花粉が鬱陶しいな
ちょうど日付が変わった

10/6/2022, 1:10:31 PM

まあるい月のその端に
かかる雲が秋を詠む
にわかに降り出す夕立ちに
側溝に溜まる落ち葉と僕ら
木曜日の憂鬱が
街路の灯りに影を落とす

ああ、
そんなのが嫌いだ。

結局なんだ、
畢竟なんだ、
とどのつまりは誰だったのか

今となっちゃあ、わかりもしないが。

何時だった、
何故だった、
こんなにも世界が冷え切ったのは

今となっちゃあ、どうでもいいが。


寝室に月光が差している
カーテンが飽き風で暴れる

ああ、

ああ、

はあ。

ねやのひまさへつれなかりけり。

また、
過ぎた日を思う。
               (過ぎた日を思う)