帰るまでが旅なら、目的はどこへいってしまったのか。
旅の途中が全て目的になってしまったら、なんだか全てが大切なものに思えてきて、スーツケースにつける印だとか道中で買ったもののレシートだとか必要でないものまで捨てることができなくなる。
「旅などやめておけばよかった。」と言いたくなる。
だが、私はいま、汽車乗っている。
駅に着くと、頭を下げてみよう。
「どうか、どうか。この汽車を僕に譲ってはくれませんか。乗っていなければならないんです。もう始めてしまったんです。軽はずみだった。僕は旅の終わらせかたを知らない。怖くてしょうがないんだ。」
そんなことを言う勇気があれば、旅など行っていないなんて野暮なことは言わないでくれ。
次の駅に降りたら、別の路線で1番遠くまでの切符を買おう。
だって、切符は持ち帰らずに済むのだから。
日陰で猫がウトウトしていたので
きっと、もう春。
勇気って「良いものです私は」って顔してるけど、とっても怖いものだと思う。
振りしぼるぐらい大変なものなら理性が効くけれど、ちっぽけな勇気には何が効くのでしょう。
正義感とは逆の悪戯心や自己愛、好き嫌い。それともやっぱり理性?
それもあるけれど、きっともっと単純なもの。
そう!それは空腹!!!
さぁ、何かをするのはやめにしてご飯を食べに行こうかな。
そうです。これは勇気ある馬鹿な男のお話なのです。
何かを見過ごすことに勇気がいるだなんてコイツは気づいちゃあいませんから。
居酒屋にて
「終わらない物語なんてないじゃない。
だって、未完の作品でも、作家の終わりとともに語られるものなのよ。
物語だって人生だって、案外簡単に唐突に終わるものなの。
きっとそれがわからないことを幸せと言って、物語も人生も終わらないと思うことを平凡というのでしょうね。」
彼女が僕にそう言った。
「なら、僕はあの時...」
そう僕が涙ぐみながら返そうとしたとき。
「終わらせてあげるのは、優しさとプライドよね。」
彼女は僕に微笑んで言った。
「羅針盤なんてリサイクルショップで100円以下で売ってるじゃない。そうゆうものなのよ。」
そう言った君を見て、何かがズレた。
理科室の中、磁石になった僕たちの話。