伊勢海老

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居酒屋にて
「終わらない物語なんてないじゃない。
だって、未完の作品でも、作家の終わりとともに語られるものなのよ。
物語だって人生だって、案外簡単に唐突に終わるものなの。
きっとそれがわからないことを幸せと言って、物語も人生も終わらないと思うことを平凡というのでしょうね。」
彼女が僕にそう言った。

「なら、僕はあの時...」
そう僕が涙ぐみながら返そうとしたとき。

「終わらせてあげるのは、優しさとプライドよね。」
彼女は僕に微笑んで言った。

1/25/2025, 3:58:02 PM