しずく

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1/1/2026, 1:55:50 PM

「おはようございます。あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします」
「……んん…?」
 朝、起きて一番最初に視界に入ったのは、隣で寝転ぶ会社の後輩だった。
「……あけおめ…ことよろ…」
 朝一番の後輩の声に圧倒されながら、発した声はやけに掠れる。
 もう慣れた光景だ。
 最近はこいつがここに寝泊まりすることが増えた。それに伴い、以前はド直球に結婚を申し込まれることが主だったが、最近は同棲を申し込まれるようになった。
 …いや、なんで?
「今回は年を越す瞬間までも一緒に入れて、本当に幸せな1年です」
「たまにくるガチトーン、怖いわ。なんだっけ?去年は、新年一発目の挨拶をもらうために、そこのコンビニに張ってストーカー?……なんで俺、こいつと付き合うことを許可したんだっけか」
「え、やだなぁ、やめてくださいよ。新年始まって早々別れるなんてことになったら………まって、考えたくない」
 想像したのだろう。
 なんとか想像しようと顔を顰めていたが、みるみるうちに絶望に染まっていく表情。そのまま頭を抱えだした後輩
に、くすくすと笑いが漏れる。
 こいつは割と表情が忙しい。
「先輩、お雑煮と先輩が好きな物だけ詰め込んだおせちありますけど、食べます?」
「あー、後ででいい?アイス買いに行く」
「それ、俺もついてっていいやつですか?」
「いいよ。つか、許可しなくてもついてくんだろ」
「まぁ」
 当然のようについてくる体制に入っている。…準備が早い。
 多分冷凍庫にはこいつが買っておいたアイスのストックがあるんだろう。昨日見かけたのだから間違いない。
 朝はアイスを欲する俺のことを考慮して、こいつはいつも冷凍庫にアイスをストックしている。
 しかし、今日は外に出てアイスを買いたいという意思は汲み取られたのだろう。
 なんなら、せっかくの今日、こいつがあのコンビニに行きたいまであると思う。
「…去年からのこと考えると、なんか本当に幸せすぎて溶けそうです。…嬉しい」
「……、」
 そう言ってしれっと手を繋いで自分のコートにそのままふたりぶんの手を入れたこいつ。
 頬と鼻の先を染めて、あまりにも幸せそうに笑うから。
 今年は割といい年になりそうかも、とか思ったり。

 シュッ
「あっ、ちょ、なんで手離しちゃうんですか」
「……」
「………え、まって、え、先輩顔赤い、かわいい、え、え、結婚、やっぱ、結婚してくださ」
「…うるさ」


新年 #241
(去年の続き?的な)

12/31/2025, 2:17:29 PM

なんだかんだいって、今年も生きました。
去年のこの日、何書いたか割と覚えてるもんですね。
あの日から1年……え、1年!?、という感覚が抜けなくはないですが。

今、去年の今頃までの投稿見返してきました。
え、これ書いたのってこんな前だったっけ…!?とか。
データ吹っ飛んだの3月!?嘘!?とか。
でも一番思ったのは、
……なんか顔向けできないや、と。
いつの間にかなにかが拗れて投稿が全くできてない期間があって。
書こう、書こう、って思うのに。
1日書いて、明日から続けていこうって思うのに気付けば全然書けてなくて。なんてことが続いて。
ずるずると逃げちゃっていました。

あとね、去年の12/30の投稿にこうあったんですよ。
"来年はもっと明るいこと書けてたらいいな"と。
ごめんなさい。
今年の私は、何もかもが伽藍堂でした。
明るい、暗い、で言ったら断然暗かったと思います。

過去の自分へ。
貴方の文章、好きです。
でももうあのときの私の文章はもう見れないんだね。ちょっと悲しいかもです。

たくさん迷うけれど、リセットして、それで私が生きていられるんなら、それでいいんじゃないかな。


良いお年を #240

12/16/2025, 10:09:45 AM

これは、きみの、夢のはなし。

僕が何も心配させずにきみと笑いあえて。
きみが何も心配せずに僕の隣で笑えて。

そんな夢物語。

……ああ、ちがうね。
これは、ぼくの、夢のはなしだ。


君が見た夢 #239

11/3/2025, 11:09:16 AM


 願っただけ。
 そう、最初から叶うなんてそこまでは自惚れられた恋じゃなかった。だから、だから、最後まで言わなかった。言えなかった。
 なのに。口に出せばなにか変わっていたかな。なんて思ってしまう愚かな心臓が痛むんだ。
 
 …いや。
 願ってしまった。
 離れていかないで、と。
 乞うてしまった。
 それだけでも随分大罪なのに。
 口に出すなんてしたら僕が僕を許さない。

 そう思ってるのに。
 もう考えるのやめにしたいのに。
 もうくるしいのに。

「…行かないでって言えばよかった…」

 ぐるぐるぐるぐる。
 ああ、自分が嫌になる。


行かないでと、願ったのに #238
(ライブが最高すぎた。もうやばい満たされてる。現在帰りの電車のなかです。明日から学校だる。(ちなみに上の話となにも関係がない))

11/1/2025, 1:26:13 PM

 包み込むような寒さに意識が緩やかに覚醒し始める。
 微睡む意識のなか、んん…と掠れた声が漏れた。
 …もう少し寝ていようか。
 外界は寒くてとてもじゃないけど、この布団の温もりを知ってしまった以上なかなか動きたくない。
 今日が休日であることをいいことに、布団の温もりに肖って二度寝が始まる。
「……、」
 隣で先に起きていたらしい彼が熱を持った身体で僕の腕の中にいるのを、僕は知らない。


凍える朝 #237

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